概要
- DXの成功を支えるCX視点とは?
- CX視点からDXを支援するメニューの紹介
こんな方に
- DXを推進しているがよい手ごたえを得られていない
- DX推進に当たり、どこから手を付けて良いか迷っている
急務とされる“DX”とその課題
ユーザーエクスペリエンス、カスタマーエクスペリエンス、デジタルトランスフォーメーション…。
体験価値や変革を意図する“X”をキーとした取り組みは、ある時は事業改善の切り口として、ある時は新規事業創出のきっかけとして、業界・業種を問わず浸透しつつあります。
また、経済産業省によるレポート*では、2025年までにDXの実現がなされない場合、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性のある事も指摘されており、急務としてとりくむ企業も増えています。
一方で、国内でDXを導入した企業の約37%は、効果を実感できていないのが現状です**。
また、現場に目を向けると、
・ デジタルトランスフォーメーションの旗印のもと、特定技術の導入が前提となった開発が要求される
・ 現場では求められていない技術精度を追求してしまう
・ DX推進室はあるのに、そもそもデジタイゼーション(アナログ情報のデジタル化)やデジタライゼーション(ビジネスのデジタル化による効率化)が進んでいない
といった課題も聞こえてきます。
これら課題に関して、様々な企業へのヒアリングを重ねていく中で見えてきたのは、DX推進において『顧客体験=CX』の観点が抜け落ちている、ということです。
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*『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(経済産業省、H30年)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
**2019 年 国内企業のデジタルトランスフォーメーション動向調査 IDC Japan, 2019
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45464619
DXの成功を支える”CX“視点とは?
『 CX ; Customer Experience / 顧客体験 』とは、ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験のことです。ここでの体験は、商品やサービスを購入する際の体験にとどまらず、購入前の段階、あるいは購入後のサポートまでを含んだ、全ての体験が対象となります。
重要なのは、B2Cであれ、B2Bであれ、企業が顧客に提供した体験が、そのままCX=顧客体験となるわけではない、という点にあります。
加えてもう一つ重要なのは、CXとは商品やサービスにおける物的価値(価格や機能性など)だけではなく、感覚的な価値(満足感や喜びなど)も含めた価値であるという点です。
さきほど取り上げた『特定技術の導入が前提となった開発』も『現場では求められていない技術精度を追求する』ことも、上記のCX観点が欠落しているからこそ、引き起こされている課題なのです。
これは、とある自動車メーカーの方から伺った話ですが、高齢化の進む地方自治体向において、モビリティサービスの企画を進めるなかで、効率的なシステムを開発したが、高齢者の方になかなか使ってもらえなかった、というお話がありました。理由を伺うと、高齢者の方は、自分が予約して、もし直前にキャンセルしてしまうと、ドライバーの方に迷惑が掛かってしまうから、利用の気が進まない、ということでした。この例などからも、顧客観点での体験に対するインサイト(ペインポイント)を深く理解することの重要性が、わかるかと思います。
モビリティによる移動体験、デジタルとフィジカルな場を繋ぐ購買体験、スマートシティにおける生活体験、自動化された工場での生産管理…、これらテーマは全てUX、DXデザインの範疇にありますが、その中心には『人』が存在し、人に接続する形で、デジタルテクノロジーやビジネスが検討されることが求められているのです。
”CX“視点によるDX開発に必要なこと
では、顧客体験をDXに活かすにはどうすればいいのでしょうか?
ポイントは4つあります。
ポイント1:顧客体験のキーを捉える
CX=顧客体験といっても、単にその体験を追従するだけでは価値に転化できません。
顧客の目線から見た感覚的な価値(満足感や喜びなど)を深く理解することが必要です。
ポイント2:価値を生み出す体験の構想
革新的なビジネスモデルも、先進的なテクノロジーも、それ自体の魅力で、体験価値を最大化できるわけではありません。
時代における価値観やテクノロジー、ビジネスモデルの変化を読み解きつつ、顧客に提供する体験を時間軸をもって定義し、リアルとバーチャルを横断した体験価値を構想することが重要となります。
ポイント3:スピーディな検証とフィードバック
どんな秀逸なコンセプトでも、実際に体験してみなければその価値を見定めることはできません。
プロトタイプをスピーディに開発し、プロトタイプのフェーズに応じた適切な検証を実施、フィードバックを獲得。
最初から大きなプロジェクトを実施するのではなく、コンパクトな実施と修正を繰り返すことで、最終的な価値を上げていくことができます。
ポイント4:組織の体質を変える
DXもデジタルシフトも、手段であって目的ではありません。
システム導入や業務効率化の先にある、DXによって実現すべきビジョンの策定、さらに現場がDXを推進するために重要となる、CX起点での思考を社内に根付かせること、つまりは新しいカルチャーの浸透が、DX推進においては重要な土台となるのです。
DX design from CX トリニティの4つのメニュー
トリニティの行うDX支援は、一言で言えば、『CX起点によるDX design』です。
実現させるべきCXを明確にすること、そしてCXを最大化させる仕掛けを、ビジネスとデジタルテクノロジーも含めて構想することをDX Designと考え、その活動を支援致します。
1.“インサイトの探求“ CXにおけるキーインサイト抽出
自社製品やサービスの利用前後での体験、要求される物的価値(価格や機能性など)だけではなく、感覚的な価値(満足感や喜びなど)を深く理解することで、顧客体験のキーとなるインサイトを抽出します。
こんな方に
・ 開発段階の技術があるが、顧客目線での価値が明確でない
・ システムを導入したが、CX向上につながらなかった
・ 既存プロダクトやサービスを、CX起点でリニューアルしたい
参考メニュー:
ユーザーインサイト調査 https://trinitydesign.jp/workmenu/research-userinsight/
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2.“体験の構想“ CX起点での新規商品&サービス開発
時代における価値観やテクノロジー、ビジネスモデルの変化を読み解きつつ、どんな体験に変容させることで大きな価値が生まれるのか、顧客体験を起点にした、価値創造の仕掛けを構想します。
こんな方に
・既存製品でIoT化を考えているが、アイディアがでない
・新規事業を立ち上げたいが既存事業のフレームから出られない
・事業コンセプトはあるが、顧客体験まで落とし込めていない
参考メニュー:
新規事業開発 https://trinitydesign.jp/newbusiness/
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3.“プロトタイプ開発“ 顧客体験を具現化するプロトタイピング
プロトタイプをスピーディに開発し、プロトタイプのフェーズに応じた適切な検証を実施、フィードバックを獲得。このサイクルをスムースに回していくことで、具現化すべき体験価値を明確にしていきます。
こんな方に
・アジャイル開発を導入したが、うまくいかない
・ユーザーサイドの要件を、うまく拾えていない
・ブラッシュアップするポイントが、開発者同士でずれる
参考メニュー:
プロトタイピング/商品開発 https://trinitydesign.jp/workmenu/commodity-product/
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4.“ビジョン&文化づくり” DXで目指すビジョンや思考様式の導入
システム導入や業務効率化の先にある、DXによって実現すべきビジョンの策定、さらに現場がDXを推進するために重要となる、CX起点での思考の浸透、つまりは新しいカルチャーの醸成支援も行っています。
こんな方に
・DXで実現すべきビジョンが明確になっていない
・CX起点で考えるという思考が、社内で浸透していない
・DX、CXを牽引していく人材が育っていない
参考メニュー:教育・学びの場づくり https://trinitydesign.jp/workmenu/education-workshop/
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“カスタムメイドのプロジェクト設計”
“+X”と言っても、クリアしなければいけない課題、やるべきこと、やりたいことは多種多様。トリニティのプロジェクトはつねにカスタムメイドの設計。ゆえに、様々なタイプのプロジェクトで実績があります。
自社事業におけるDXのあり方を考えてみたい、 CXを切り口にサービス開発を考えてみたい、といった具体的な事から、自社で+Xをどう考えていいかわからないといった悩み事まで。皆様の思いがそこにあれば、規模の大小は関係ありません。まずはご相談ください。
・外部への依頼ではなく、研修型にしたい
・一部のみを支援してほしい
・外部有識者としてプロジェクトにコメントしてほしい
・何を頼むべきなのかの相談から乗ってほしい
など、ご状況に合わせ設計いたします。
関連参考資料:DXデザイン関連資料ダウンロード
トリニティでは、上記にご紹介したメニュー以外に、DX導入支援プログラムもご用意しています。
CX起点のDXを学ぶ 半日プログラム
DX推進にあたり、押さえて置くべきCX視点。
その初めの一歩となるプログラム。
・ DX全体像の理解
・ DX推進企業の具体的な取り組み
・ DX導入のプロセスや課題
を技術・マーケティング起点ではなく、“CX起点”で学ぶ。
対象者:DX推進の検討段階、あるいは推進の初期段階にある企業/自治体の担当者
加えてこんなお悩みがある方…
・社内でDXといっても、特定技術導入の話になってしまう。
・B2Bの事業をしているので、CXの話をしても社内でうまく伝わらない。
・DX推進が目的となってしまい、ゴールが描けていない。
意外な知恵と手法をデザインの現場から よろず相談所
<毎週火曜 オープン>
トリニティでは、“デザインの力で組織の中のさまざまな悩みにお応えしたい!”という想いのもと、よろず相談所を開設しました。
・デザインの知恵で解決できそうな気がするけど、具体的にどうやればいい?
・新しい企画でうまく上司や周囲を説得できないので、ブラッシュアップを手伝ってほしい
・デザインリサーチってやったことないけど、自分の計画がうまくいきそうか見てほしい
・社員や組織の創造力を高めるにはどんなやり方がある?他社はどんな感じ?
・急いで作らないといけないものがある、すぐに頼める?
などなど、記事ではわからない知りたいことやお困りごと、ちょっとしたご相談があれば、
毎週火曜、弊社のファシリテーターが緩く相談に乗ります(無料)。
下記の入り口からお申込みください。
ほかにもこの相談所では、
・【技術者や専門職の自分たちがデザイン思考をどうつかえばいい?】
・【デザインの力を活用した新規事業をどうやってつくる?】
・【社内にデザイン思考を浸透させるには?】
・【ビジョンデザイン(経営デザインシート)っていつどうやって使うの?】
・【未来を見据えた商品づくりはどうするの?】
・【社内でデザイン組織を確立するには?】
・【デザイン経営を導入するには?】
・【DXとCXの違いが判らない…】
など、さまざまなお困りごとに、トリニティのこれまでのデザイン活動から見えてきた取り組みの事例などから、
実際に推進するためのリアルなお話までを相互にお話したいと思います。
相談所入り口はこちらから。(別ウインドウが開きます。)
相談したい日程をお選びください。