トリニティ株式会社

株式会社デンソーコアスキルと共同開発 「技術起点で考える~エンジニア向けデザイン思考」で、事業とひとを創る

公開:2021年01月22日 更新:2021年01月22日

こんな方にお勧めです
・自社の技術を横展開して新しい製品/事業を創りたいが、うまくいかず困っている
・ユーザ不在のまま開発が進んでしまうため、事業化の際に収益化が見込めない
・特徴のある素材や技術シーズを持っているが、その活用先が見つからない

はじめに

技術組織が主体となって新期事業を立ちあげる場面が増えています。

しかし、B2B・B2Cの双方で、独創的な高い技術力をそのまま製品とする従来のアプローチには限界もみられています。

こういった状況の中、既存の「眠っている技術」や「特定領域にしかに使われていない技術」を転用し、
「ユーザーや生活者の顕在・内在する欲求に対して、自社の製品がどのような価値を産むか」に至るまでをとらえ、
製品を開発することが、求められていることは周知のとおりです。

この流れの中で、デザイン思考は、ひとつのフレームフレームワークとして機能します。
デザイン専門家ではない技術職の皆さんが、この新たなプロセスを活用し自ら生活者を観て、
アイディアを創造していくアプローチは、新規事業を生む成果だけでなく、
自らのスキルを拡張するにも有効となる場合が多いと思います。

参考:デザイン思考とは何か~については、トリニティの過去のブログをご参照ください。


初めてのデザイン思考とUX・サービスデザイン

デザイン思考が「技術の出口開発」の役に立たないと誤解される理由は?

しかし、実はこの「デザイン思考」は、万能ではありません。
デザイン思考では、ユーザをみることを最も重視します。ユーザの観察やヒアリングから得られた情報をもとにインサイトを発掘し、そのインサイトに対してさまざまな視点から解決法を探るのがこのメソッドの根底にある思考法です。
「解決法を様々な視点から探る」ということは、特定の解決手段に縛られない、ということも同時に意味します。
例えば、イタリアン飲食店のユーザから「子供と食事を楽しみたい」というインサイトが見つかったとき、“子供向けイタリアンメニューの開発“など、その飲食店の得意とする調理の技術を用いて“のみ“解決の方法を探るのではありません。
「子供と食事を楽しむ」とはどういうことか?を掘り下げ、生活者の体験を創造し、グラフィックやイベント、コミュニティ、など、さまざまな側面から、手持ちの技術に縛られず、自由な発想で、価値を生み出すアイディアを探ることがデザイン思考の大事なポイントです。

 

つまり、デザイン思考の考え方とは、“生活者のマインド(インサイト)≒潜在欲求”に向き合い、様々な手法で解決する、というものであり、元来、技術起点・シーズ起点の発想とは対極に位置する思考法だと言えます。
このため、デザイン思考のフレームの中で、複数とはいえ特定技術を前提として(技術起点)、
生活者から見た価値を創るということは、かなり難しくなります。

 

このため、デザイン思考を活用したケースで、
「苦労して市場のインサイトを掴んだにも関わらず、それを解決するアイディア創造の段階で、
自社のシーズ(技術/特許/研究成果)をうまく当て込む事が出来ず、プロジェクトが頓挫してしまう」
というケースはたびたび起こっています。
また、マーケティングやR&Dの組織とは異なり、外部情報や外部人脈との接点が少ない組織の場合は、
アイディアの飛躍も難しく、目の前の生活者を観れば見るほど、今にとらわれてしまい未来の社会を創造することが出来なくなる傾向がみられます。

真逆の思考法である「技術起点」と「デザイン思考」をマージする
「技術起点で考える~エンジニア向けデザイン思考」

トリニティでは、幾たびかの実践を経て、この状況を解決するため、
技術を起点としたデザイン思考のオリジナルフレームを整えました。
このオリジナルフレームは、

 

  • 生活者(市場)のインサイトと自社技術・シーズを高い確率で紐づけることができる
  • トリニティのリサーチ部門の未来予測レポートを共有することにより、短時間で未来の情報をインプットできる
  • 日頃、エビデンスや理論を重視するワークスタイルの方も、これまでの発想プロセスに縛られない自由なアイディア発想法を実践できる
    これらがポイントになっています。

株式会社デンソーコアスキル開発部との開発経緯

今回ご紹介するプログラムは、トリニティが開発したプログラムをベースに、株式会社デンソーコアスキル開発部と協力し、創出したエンジニア向けのアレンジプログラムです。

 

デンソーコアスキル開発部は、新事業/新商品開発のアイディア発想から事業計画までの基礎知識の提供をミッションとしています。

 

従来から、デンソーでも職場が主体となってデザイン思考を活用した新事業創造/新商品開発に取り組んできましたが、デザイン思考が顧客起点であるがゆえに、これまで磨いてきた技術を新しい分野で活かすことができないかを検討する技術起点の用途では、「使いにくい」、「期待通りの結果が得られない」と感じる人が多くいました。

 

また、デザイン思考に付きまとう「曖昧さ」が、理論の積み上げで常に明確な答えを得ようとする左脳系思考に慣れているエンジニアにとっては腹落ちしにくい要素となっており、その改良も喫緊の課題として挙がっていました。

 

そこで、このプログラムはエンジニア出身の参加者が、自社技術・シーズを活かし、新たな領域への進出や、新たな価値を生み出すことを目的として、2020年に誕生しました。チームで学びながらすすめることで、事業を推進するひとづくりと事業開発が同時に体現できるプログラムとなっています。

<プログラムの特徴>

 

  • すべてオンラインで完結する、約3日間のプログラムです。
  • 通常の「デザイン思考」のプロセスとは異なり、自社技術・シーズとマーケットとの”潮目(接点)”を見出す確度を高めます。
  • 「デザイン思考」で重視される「顧客起点でのインサイト発掘」はそのままに、新規事業/サービス/商品アイディアを創造します。

 

 

<プログラム構成>

※ day1のデザイン思考骨子レクチャーは、はじめてデザイン思考を学ばれる方も対象とした、
デザイン思考の本質部分(考え方/マインド/スタンス)に焦点を当てた内容です。
弊社の現場起点によるデザインコンサルティングの経験知見も入れ込んだ
オリジナルな内容で参加者の理解/腹落ち感を深め、実践に結びつける為の”核”を創ります。

 

※ day3の後のアイディア具現化フェーズ(リーンスタートアップの要素も組み込んだ
ビジネス化に向けたフェーズ)も追加プログラムとして伴走させて頂く事ができます。

<プログラムの効果>
このプログラムでは、

デザイン思考の本質部分(考え方/マインド/スタンス)を理解&体感できる。
保有している技術・シーズの多様な提供価値を見出す思考プロセスを学ぶことができる。
よう、3つのプロセスを学びながら実践し、事業推進のための”人”づくりと同時並行で事業開発をすすめます。

【未来を創るプロセス】
・トレンドの読み解き方を把握し、
バックキャスト的思考で市場の可能性を考える事ができる。
【ひとを見る/インサイトを発掘するプロセス】
・人を見るリサーチのコツを学ぶことができる。
・インサイトの記載方法や深掘り方が理解できる。
【アイディア創造プロセス】
・共創形式のアイディア創造STEPを体感できる。
・市場インサイトを解決する技術・シーズの提供価値を活用した
アイディアドラフトを創造できる。
・インサイトを発掘する為の対象仮説を、
技術シーズの提供価値を組み込みながら構築できる。

本プログラムは”実際に活用を検討している技術”をテーマとして進行しますので、守秘義務の観点から同組織・会社にて複数人でグループを作りご参加いただく形式となります。

 

テーマとする技術数、チーム人数、チーム数などの詳細に関しましては、目的状況に応じた対応となりますので、お問い合わせください。

本プログラムのファシリテーター

林 俊秀
トリニティ株式会社(元デンソーコアスキル開発部)/エンジニアのためのデザイン思考講師
大手自動車部品メーカーにて、エンジニアとして5か国20年間の海外駐在における豊富な現地設計開発/技術折衝/現地リサーチ活動の経験を礎に、デザイン思考の社内講師としても活躍。エンジニアの思考を熟知し、右脳的要素の左脳的アプローチを得意とする。

 

山口 崇
トリニティ株式会社 取締役 / デザインプロデューサー
Adaptive Insight Academy デザイン思考 講師
メーカーのデザイナー、ブランドコンサルティング会社の戦略プランナーを経て、現在はデザインコンサルティング、イノベーションワークショップの企画・実施・ファシリテーションを行う。

 

畑山 隆男
トリニティ株式会社/ ディレクター/クリエイティブ
大手AVメーカーのプロダクトデザイナーとしてエンジニアと共に数多くの商品を手掛けた後、欧州デザイン拠点立上げのためパリに駐在、帰任後、部門を統括し、人間中心設計、UXデザインを武器に新価値創造を推進した豊富な経験を持つ。

 

藤枝 祐子
トリニティ株式会社/ ディレクター/コピーライター
広告制作会社にて20年間コピーライター・クリエイティブディレクターとして活動。想いやアイディア、技術の価値を言語化し発信するプロフェッショナルとしてクライアントをサポートする。

「技術起点で考える~エンジニア向けデザイン思考」に関するご質問、お問い合わせはフォームからも承っております

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