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2024年CES現地取材から見えてきた、テクノロジートレンド、そしてテックジャイアントとAIの現在地点

公開:2024年01月23日 更新:2024年01月23日

世界最大規模の最新エレクトロニクス見本市「CES 2024」が1月7日のプレスデーを皮切りに、12日まで開催されました。

弊社ではここ10年、CESを定点観測しており、テクノロジートレンドの推移を注視しています。

CES2024の概況

昨年もアメリカでは既にコロナ禍の影響がほとんどない状態でしたが、今年は世界的に見てもその影響はなかったため、出展社は4,300社を超え、来場者は13万5,000人以上と昨年より増加した賑わいでした。

 

その中でも、特に昨年同様、あるいはそれ以上に韓国企業の存在感が高まっていたことが印象的でした。

 

メイン会場であるLVCC(Las Vegas Convention Center)は、昨年新設されたWestホールからNorthホール、Centralホールまで、ほぼ全ての区画が空きなく多くの企業によって出展されていましたが、これまでロボティクスやオーディオなどが展示されていたSouthホールは今年使用されていませんでした。

 

LVCCと並ぶ多くの出展があるVenetian会場は、1階全体に世界のスタートアップ企業が1,400社以上所狭しと並び、中でも韓国やフランスからは国を挙げて多くのスタートアップが出展していました。

その上のフロアには、HealthcareやSmart Home関連などの出展がありましたが、残念ながら昨年の出展とあまり変わらない展示が多く、例年に比べても閑散としていた印象でした。

 

Venetianの5階の大型ホールで連日開催されたKeynoteは、いずれも満席の盛況で、Siemens、Walmart、Intel、HD Hyundaiなど、どのKeynoteも充実した内容でした。

 

中でもL’OréalのKeynoteは、最先端のテクノロジーを駆使したビューティーケア製品を通じ、世界に広がるダイバーシティの課題解決や身体的不自由を抱えるマイノリティへのメイクを通じたアプローチなど、テクノロジーによる社会課題解決を実ビジネスで行っていることを訴える素晴らしいプレゼンテーションでした。

注目の出展

 

自動車メーカーの出展は、2019年前後のピーク時と比べ、BMW、Fordの撤退を筆頭にグローバルブランドの出展が減少しましたが、一方で新興のEVメーカーの出展が目立ちました。


その中でも、ホンダの新EVブランド“Honda 0”によるブランド再定義は、高い注目を集める展示でした。
また、モビリティカテゴリの出展ではAGC、旭化成、3Mといった素材メーカー、Goodyear、ブリヂストン、住友ゴム工業などのタイヤメーカーが、最新のテクノロジーのインターフェイスとして、各自の技術や製品を打ち出しており、関心を呼んでいました。

家電メーカーでは特にLGのワイヤレス透明OLEDテレビ「LG SIGNATURE OLED T」が、今年最も注目された展示の一つでした。
リビングにおけるテレビの存在感が低減する昨今、空間を邪魔しない透明ディスプレイと使用時の発色豊かな画面の両立は、今後のテレビのあり方を象徴する製品だと言えるでしょう。

 

さらに、CESで毎年中心となるキーワード「サステナブル」は、今年も健在で、特に水素エネルギーの幅広い利用を掲げる企業が多かったのは顕著でした。

CES 2015でトヨタが水素に関する特許を公開したカンファレンスから9年が経過した今年、HyundaiやBoschなど、多くの企業が水素エネルギーを活用したサーキュラーな環境実現に取り組んでいました。

AIを活用した新時代に向けて

昨年1月のCESでは、まだChatGPTが世界を席巻していなかったため、話題には上がりませんでした。しかし今年は、ほとんどの企業が各自の製品をインターフェイスとしてデータを集め、AIを介してパーソナライズされた体験を提示。そして製品(データ)と製品(データ)の連携により、これまで以上に進んだスマートな生活空間を生み出すことが多くのカンファレンスで話されていました。


多くの企業がMicrosoftやAmazon、Googleとの提携を発表し、AI搭載に関する開発を進めています。
CES に限ったことかもしれませんが、Microsoftが提携先として多く選ばれ、次いでAmazonという傾向が見られました。AI 開発で Google と提携を発表する企業は少なかったという印象です。

これには、企業向けの製品やサービスが収益の柱であるMicrosoftと、検索エンジンを介した広告収入が主であるGoogleの事業構造と、企業との接点の違いが影響していると考えられます。
また、この事業構造の違いにも起因するデータセキュリティへの信頼度がこれに影響している可能性もあります。

CESでは、テックジャイアントであるGAFAMの直接的な出展やカンファレンス開催は少ないものの、自動車や家電、ヘルスケアなど多岐にわたるグローバルテック企業とテックジャイアントの提携話から、AIにおける現在の勢力図を垣間見ることができます。

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