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プログラム
創発、学び
2018年12月10日

自動車サプライヤーによる合同デザイン研修〜SSD スーパーサプライヤーby デザインアクティビティ

SSDとは?
2018年で4年目を迎えるSSD(スーパーサプライヤーby デザインアクティビティ)は、デザインの視点で日本の自動車サプライヤー達が世界で勝つ!為の学びの場として設計されました。
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「自動運転」、「コネクテッドカー」など、自動車をとりまく状況が大きく変わる中、サプライヤー各位には「自社の強みを生かした商品力」とその「提案力」が強く求められています。

ここでの重要なカギは「人材育成」。
各段階に応じた教育や研修を行い、知見を高めることで、社内のデザイン視点を強化し、従来のものづくりのスキームをバージョンアップさせること。
ひいてはサプライヤー内部から、自分たちの力で “スーパー”サプライヤーに変革していくこと。

こういった状況に応え、trinityでは会社や職種をも横断する自律型のデザインラーニングプログラムを推進してきました。

SSDは初回以来、素材から加工メーカーまで幅広い企業の皆様にお集まりいただき、
有識者による講演やワークショップを通じて、名刺交換を超えた各企業の交流の場ともなっています。

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2018年度のSSD
2018年度のテーマは「ワークショップを、通じてコンセプトづくりからプロトタイピングまで一連の流れを体験しながら共創プロセスを学ぶ」。
参加企業は旭化成(株)、カルソニックカンセイ(株)、パイオニア(株)、(株)東海理化、トヨタ紡織(株)ほかの日本を代表するサプライヤー6社から、36名の若手・中堅メンバーに加え、16名のマネージャーが参加しました。

2018年7月〜11月までの約4か月にもおよぶロングスパンのデザイン教育プログラムは、11月2日(金)にゴールを迎えました。
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2018年度SSDプログラム
プログラムは全3回に分けて実施されました。

▼第1回 クロスオーバートレンドプレゼンテーション&クロストーク 7月
今後の市場を構成する“人”を読み解くためのインプットを行いました。
 
クロスオーバートレンドプレゼンテーション
trinityが長年にわたり、継続的に実施している「クロスオーバートレンド」は、プロダクト、インテリア&建築、ファッション領域の最新デザイントレンド情報を国内外の展示会等への現地取材で収集し、「領域を横断したデザイントレンド」を捉えたレポートです。
※クロスオーバートレンド https://trinitydesign.jp/workmenu/designresearch/

クロストーク
テーマに関する有識者2名をお招きし、モデレーターはトリニティ兵頭が務め、クロストークを開催。参加者全員と活発な質疑応答も踏まえ、これからのモビリティ市場に関する新たな視点について活発な議論が行われました。
 
▼第2回 デザインアイデアプロトタイピング 9月
課題テーマにおけるコンセプトや提案の骨子、具現化に向け、参加者それぞれの専門性を活かしながら共創。
参加した1社6名の若手・中堅メンバーをミックスし、異業種・異職種混合の6チームが生成されることで、バックグラウンドや考え方が異なる同世代のメンバーとのコミュニケーションが必要になりました。

▼第3回 デザインアイデアプロトタイピング&コンテスト 11月
前半の4時間は、前回に続きチーム毎に考えたコンセプトを具現化する段ボールを使ったプロトタイプを制作。段ボールはこの活動に賛同頂いた株式会社美販よりご協賛いただきました。後半の3時間は、各チーム発表。
審査は、各社マネージャに加え、日経デザイン編集長 花澤 裕二氏との協議で決定。
優秀賞、ユニークアイデア賞の受賞チームが選出されました。

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日経デザイン編集長 花澤 裕二氏に審査・講評をいただきました。

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皆さまのご感想を一部ご紹介します。
クロスオーバートレンドプレゼンテーションの感想
・自分では探しきれないような情報まで知ることができ、参考になった。
・カテゴリーわけされ、多くのビジュアルが用意されているので興味深く頭に入ってきやすい。
・各業界の過去からの変遷を確認しながら、現在のトレンドを確認でき、漠然としたイメージを再確認できる。日常業務へのアウトプットはもちろんのこと、個人で展示会に行く際にも確認すべきことを整理できるため非常に参考になっております。

ワークショップ参加者の声
・グループで結束が高まり、日々の中でもなかなか出来ないワークが出来た。全員参加でアウトプットも見ごたえがあるものにする事が出来とても有意義なプログラムになったと思います。(マネージャー)
・課題に対してコンセプトをまとめ、一つのモックに落とし込む一連の流れをフルに学べた。(参加者)
・異業種間の方々とのコネクションづくりができた。デザイナーのものの考え方を知ることができた。(参加者)
・自分のレベルを客観視できたため、今のレベルを把握することが出来た。今のレベルからどこまで引き上げる必要があるか、またどのように引き上げていくかを考える良い機会だった。(参加者)
・視野や考えることの幅が広くなったと考えています。(参加者)
 
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コメント
企業での研修はさまざまな工夫をこらしても、畢竟、受け身の学習となりがちな部分があります。
SSDでは、プログラムを通じて主体的・自律的に参加者がより高みを目指す空気が醸成されており、すべての参加者が熱意をもって、想定以上の努力でワークに取り組まれておられました。最終的に順位はつけられたものの、各自が得られたトライアルの経験や知識の体験的な理解は唯一のものであろうと思われました。
また、サプライヤーの共同研修としていることから、人を育てる意識の高い各社のマネージャーも現場に参画され、相乗効果が見られました。(trinity リサーチャー 中森)

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※この研修の様子は「日経デザイン12月号」(11/24発行)の「ニュース&トレンド」に掲載されました。
日経デザイン2018年11月号
また、「日経クロストレンド」にも掲載されています。
・B2B企業もデザイン力向上へ 共同で若手の教育プログラム 
 
使用した段ボールはこの活動にご賛同いただいた 株式会社 美販 様よりご提供いただきました。
 半球ドーム型スクリーンや折り畳みスツールなど、段ボールの枠を超えたやデザイン性の高い製品の開発に、
 産学連携プロジェクトなども活用しながらチャレンジングに取り組まれています。
 株式会社 美販 ウェブサイト http://www.bihan.jp/ 

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Social Care Design

 
「気づき」の場を創り、出会いを創る、
トリニティのエデュケーションプログラム

 
どんなに変化が激しく将来が見通しづらい環境でも「次」を生み出すのはいつも「ひと」です。
トリニティは通常の教育プログラムとは一線を画した実践的な学びの場を設けています。
 
・異業種共創型ワークショップ
・デザイン・イノベーティブ・ワークショップ
の詳細はこちらから。

SSD(スーパーサプライヤーby デザインアクティビティ)に興味・関心のある企業様は、こちらからお問い合わせください。
お問合せフォーム https://trinitydesign.jp/contact/general/

SSD担当 兵頭武信 クロスオーバーでトレンドの分析を実施。
(執筆 リサーチャー 中森志穂)

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