トリニティ株式会社

高齢者「移動」PoC(概念実証)実施! ~リビングラボ★体験会&ワークショップ ~【協創メンバー募集中】

公開:2019年11月6日 更新:2019年11月6日

先日、私達は東急電鉄が運営する、たまプラーザにある「WISE Living Lab共創スペース」にて、高齢者の移動をテーマとしたPoC*1(概念実証)を行いました。
私達は、WellBeing(よりよい暮らし)をテーマに、昨年9月にWellBeing研究会を発足しました。
今年の7月の奈良県での産学連携学会での発表に続き、今回のお披露目は第2弾です。

今回は、㈱オーテックジャパンによる特別仕様の日産リーフAUTECH、そして電動アシスト付き四輪自転車「けんきゃくん」。
そして、NECソリューションイノベータによるペットキャラクターによるオーナーズアプリやジャスチャーインタフェースを、東急沿線に暮らす方々に同時に体験していただき、その後にはワークショップも展開しました。

写真:今回の体験会&ワークショップにお集り頂いた皆さんと運営メンバー

当日は、横浜市の建築局の加藤様、東京急行電鉄株式会社のWISE Living Labを
オーガナイズする坂井田様のご挨拶からスタート。
今回の主催であるWellBeingデザイン研究会の活動説明に続きます。

今回のアイディア(概念)は、「モビリティとサービスで、日常や旅先での移動をわくわくドキドキ楽しんでもらい、更に行動半径を広げることで一層の元気を手に入れる」こと。私達はフィールドワークを重ね1年を掛けて、心とカラダを拡張する移動体験をデザインしました。
モビリティでは、日産リーフAUTECHの助手席をターンシートにして乗り降りしやすくカスタマイズ。また、助手席ではジェスチャーだけでサイトやアプリとつながりコミュニケーションが取れる機能をタブレットで搭載。これによって、操作スイッチやスマフォの画面でタッチして情報操作する煩わしさから解放されます。

また、電動アシスト付き、四輪自転車「けんきゃくん」は、単に転ばないだけでなく、ゆっくりとした移動そのものが楽しめるユニークなモビリティ。
旅先に積んでいけば、ついた先で楽しめるかもしれません。

オーナーズアプリは、ペット(ウェルビー君)が、日常の中で、自分の移動の範囲を広げるコミュニケーションをとってくれるというもの。
ペットとの会話の中で、知らず知らずのうちに活動量を増やすことができます。

そして、後半には今回の体験会をもとに、未来の移動にむけてミニワークショップ。
こんな移動を実現したい~というユニークで具体的なアイディア出しをグループワークで展開しました。

体験会のインターバルには、株式会社タニタによる、「咀嚼」セミナーも開かれ、堅いものを噛んで、いかに「負荷」をかけることが、人間のカラダに大切か~も学びました。タニタ食堂(監修)のおせんべいを食べながらのワークショップです。

写真:株式会社タニタの栄養士の西澤さんのミニセミナー。フレイルと咀嚼の関係を解説。

当日は、生憎の雨の一日でしたが、この体験会とワークショップにも沢山の気づきがありました。
内容には具体的な改善点も多数出て、次の開発に活かせるニーズを吸い上げましたが、
同時に、印象に残ったのは「想定する年齢層70歳前後の方々の皆さんのマインドはかなり、ロック!」であり、
「最新の技術や情報が詰まったうえで、自分たちにカスタマイズドされた使いやすさが欲しい」ということと。

 

また、「開発するときに、企業は未だ自分達の年齢層に充分にヒアリングしてくれていない」という現実です。
この事実は勿論新しい発見ではなく、今更の感もありますが、このような「生活者と共に次の知恵を生みだすリビングラボ *2 」を活用して、「技術がどう寄り添うか?」をデザインすることを、私たちはもっともっと加速していきたいと思います。

*1 POC:
Proof of Conceptの略。新しい概念やアイディアの実証を目的とした、試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを意味します。
*2 リビングラボ:
生活者・市民やユーザー参加型の共創活動やその場を言う。10~15年前から、欧州、特に北欧が先導しEUや各国政府が支援。

「移動」を通して、私達の未来を考える

WELLBEING研究会

WellBeingは、私達のこれからに、SDGsの推進が求められ、
人生100年時代を楽しく生きるには欠かせない概念です。

WHOでは、WellBeingを「精神的にも身体的にも満たされ、社会の一員として自己肯定感をもって生きる幸福」としていますが、それに加え、研究会では、加齢による様々な変化から生じる課題に対して、「自分たち自身が主体的に取り組み乗り越えていく姿勢が大切だと考えています。

このWellBeingをテーマとして、次世代のサービス&製品開発のために複数企業や団体で、
共創しながら研究し、行動を起こすワーキングがこの研究会です。
2018年に立ち上がり、現在は、3社で構成されています。

 

〇本活動のメンバー(2018年発起)

・ 株式会社オーテックジャパン
・ NECソリューションイノベータ株式会社
・ トリニティ株式会社

 

次世代のサービス&製品開発のために複数企業や団体で、共創しながら研究する
WELLBEING研究会へのご質問・お問合せはこちらから

文責

湯浅保有美
トリニティ株式会社 CEO 代表取締役社長
エイチタス株式会社 取締役 / デザインプロデューサー
ソーシャルケア デザイン
– ソーシャルプロデューサー
– グラフィックファシリテーター
– LEGO® SERIOUS PLAY® メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ
RobiZy 正会員(特定非営利活動法人ロボットビジネス支援機構)
一般社団法人日本知財学会 正会員

組織の経営と生活者のインサイトを
デザインで繋ぐため(三位一体=トリニティ)奮闘中。
昨今は、次世代リーダーのクリエイティブ人材を育てるための
人材開発プログラムに日々のエネルギーを注いでいる。