トリニティ株式会社

【サンプル配布】テクノロジーを俯瞰して “ひと”の未来を読み解き、開発に活かす「テックトレンドレポート2020」

公開:2020年8月18日 更新:2020年8月18日

概要

・複数領域のテクノロジーを俯瞰的に読み解き、「ひと」視点の未来を読み解く「テックトレンドレポート」を発行。8月から受付スタート。

・この記事では、レポートから3つのテックトレンドを解説する。

・無料サンプルのダウンロードが可能。

こんな方に

・技術部門、開発部門において新規事業開発などに携わる方

・商品企画、マーケティング部門、デザイン部門において技術トレンドを踏まえ、仕事を進める必要性を感じる方

“テックトレンドレポート2020”とは

ご存知の通り、テクノロジーは個々の技術革新でなく、横断してテクノロジーを掛け合わせながら相互作用を起こすことで人々のライフスタイルを劇的に変化させます。

しかしながら、自社に関連する技術領域については詳しい情報が得やすいものの、その他の領域についてまで俯瞰的に把握することは難しいのが現状です。

 

このレポートは、複数領域のテクノロジーがもたらす生活者との接点やサービス等ソフトウェアの変化から「ひと」の未来を読み解き、技術開発の意義や方向性、戦略を見出すことを目的としています。

 

なぜデザインコンサルタントがテクノロジートレンドを読むのか?

トリニティは、デザインコンサルティング会社ですが、普段からCES、SXSWなどの世界で開催されるテクノロジー展の情報収集を必須の活動としています。

 

人々がテクノロジーを活用することで「どのような生活、社会」を創ろうしているのかが、ライフスタイルや価値観予測のための、とても重要かつ影響力の大きなファクターになっています。

 

そのため私たちは1つ1つのテクノロジーや最新技術のディティルを見るのではなく、複数の情報を組み合わせたり、テクノロジーの分野同士の言い分を俯瞰的に捉え、さらに、テクノロジー以外に見られる価値観トレンドとも掛け合わせながら生活への影響や、人々の目指す生活、社会像を分析しています。

 

活用方法

研究・開発の方針ディスカッションの材料として

ワークショップにおける発想起点材料として

プロジェクトメンバーの教育資料として

 

活用企業例

大手グローバル自動車メーカー

大手総合電機メーカー

など

“テックトレンドレポート2020”の構成 全122ページ

テックトレンドレポートは3部構成のレポートです。

テクノロジーの領域は幅広いため、毎年ローテーションで異なる領域をピックアップしていきます。

2020年度の調査対象領域に加え、2019年度に実施したレポートも合わせて入手いただけます。

 

第1部:技術年表 2領域

トレンドは点ではなく、時系列で読み解くことにより、変化の方向性を見定めやすくなります。

過去から現在に至る歴史の中で技術が私たちの生活をどのように変えたのか、年表で読み込み、

テック系トレードショーで語られるテクノロジートレンドだけではなく、過去からほんの少しの未来までの進歩の軌跡をまとめています。

 

【対象領域】

1.一次産業(農業・林業・漁業)(2020年度新規作成)

2.金融(2019年度作成)

第2部:業界別テクノロジートレンド 5領域

近未来の生活に変化をもたらすと期待される、現在注目の技術分野のトレンドをおさえます。

トリニティがピックアップしたテーマ別技術動向として、センシングやリモートテクノロジー、XRやバイオテクノロジーなどから、これからの社会に向けて、あるいは生活に向けてサービス化につながる可能性がある技術の動向をまとめています。

 

【対象領域】

1.センシング

  ーバイタルセンシング

  ーリモート、遠隔サービス

2.マテリアル

  ーマテリアルズ・インフォマティクス&インテグレーション

  ーバイオ・テクノロジー

3.設計・生産

  ーコンピュテーショナルデザイン& エンジニアリング

  ーデジタルファブリケーション

4.ハード&ソフトウェア

  ーロボティクス

  ーXR ( VR, MR, AR )

5.インタラクション

  ーボイスユーザーインターフェース

  ーナチュラルユーザーインターフェース

※2~5は2019年度に作成、1は2020年度の情報をもとに作成

第3部:テーマ別技術動向第三部:最新テックトレンド

世界で注目のテクノロジー展示会を通し見られる最新動向から未来の生活への影響をレポートします。

・CES現地レポート(2020年)

※MWC、SXSW、Hannover Messeについては展示会が中止のため、2020年度は掲載しません。

※昨年の展示会情報をご希望の方はお問合せください。

2020年テクノロジートレンドの一部をご紹介

本レポートから、3つ取り上げてご紹介します。

 

テクノロジートレンド1 【スマートシティ】

ー日本政府でもスーパーシティ構想と称して力を入れている分野で、要素技術の連携からプラットフォームへと志向する傾向が加速。

同時にデジタル格差の問題が浮上し、“市民が取り残されない”スマートシティへと向かう。

 

今年のCESにおいて最も顕著に現れていましたが、自動運転に躍起になった車業界は、昨年あたりから一転して「移動体を含む次世代型都市」に舵を切り出しました。

モノ売りから、MaaSなど「サービス」志向へと変化しているのは間違いありません。スマートシティは、繋がるモノやコトのインフラ、プラットフォームとして避けては通れないものであり、その覇権争いは熾烈を極めています。

 

そうした中でトヨタの“Woven City”はCESでも今年の象徴的な事例です。

EV化への舵取りでやや出遅れた感のある日本企業が、そのプラットフォーム領域で存在感を示したことは大きいのではないでしょうか。

 

一方で、疑問として上がるのは、どの展示においても、そこに住まう市民の側に目を向けた議論がないことです。ITリテラシーの高い高所得者層だけが恩恵を受ける構図になるのではないか、という懸念には誰も触れていません。

 

そこに切り込んでいるのはSXSWで、昨年の話にはなりますが、障害者支援団体のパネルディスカッションがあるなど、インクルーシブな社会を形成できるか、がスマートシティの鍵だと説いています。この文脈では、見守る社会の目と監視の境界線という課題も浮かび上がります。

 

市民にとって利便性が高く、安心な生活と引き換えにプライバシーを開放しなければならないというジレンマが議論されています。プライバシーの制度について先行するヨーロッパとデータドリブンな経済活動を推し進めるGAFAをはじめとするアメリカ企業との攻防でこそ、市民が取り残されることがないようにしなければなりません。

テクノロジートレンド2【ロボティクスとAI】

ーロボットとAIの必然的な融合が、道徳や社会のコンテクストの中に置かれ始める

 

ロボット技術は今までも各トレードショーで取り上げられてきましたが、ここ数年パーソナル・アシスタントとしての位置付けのものが増え、AIの進化と融合し、人々の生活の中に浸透し始めています。そうしたアシスタント型ロボットにおいて、その特徴は人の「顔」や表情を模したものと、あえて人の模倣から離れたものに二分されます。

CES2020では、目や口など、明らかに「人」を模倣する顔を持ったロボットが目立っている印象を受けました。

実は2019年以前は欧米ではあまりこのようなアジア的なロボット像は受け入れられていなかったように感じます。

 

こうしたアジア的な傾向は、アジア企業の勢いを示すのか、それとも人々がロボットという存在を生活の中で受け入れ始めていることの表れなのか、非常に興味深い問いと言えます。

 

人との接点という意味でSXSW2019では、LOVEをはぐくむ家族型ロボットとして「LOVOT」が注目を浴びました。こうしたアシスタント型ロボットにおいて海外においてでも機能よりは情動、という姿勢が注目されるのは興味深いことです。

また近年のAIブームのきっかけはAmazonのAlexaに代表される音声によるパーソナル・アシスタントでしたが、こうした技術の普及/応用を追うCESやMWC、ハノーバーメッセのようにテクノロジー寄りのトレードショーがある一方、SXSWは早くから、その倫理性など負の側面にも注目してきました。

 

AIはすでに技術領域で語るだけではなく、ヒトとの関係の中で道徳や社会の領域で語るものになっていると言えます。

LOVOT(癒し系ロボット) 出典: https://lovot.life/

テクノロジートレンド3 【5G】

ー市場の期待とは裏腹になかなか見えてこない5Gの実感

 

一方、中止された他のトレードショーではどうだったのでしょう?MWCは当然と言えそうですが、やはり話題の中心に5Gがあり、各社製品・計画発表で5Gを盛り上げたかったようです。そこに来てのMWC中止なので、各社の落胆はいかほどか、と推し量れますが、5G通信がもたらす恩恵に影がさした訳ではなく、ただ、普及を感じるまで時間がかかる、ということです。

 

日本では、災禍に報道が集中したせいか、華々しいファンファーレとはいきませんでしたが、キャリア各社が今春サービスを開始しています。実感が湧くにはまだまだ時間がかかりそうですが、それは5Gのもたらすパラダイムシフトは、スマホのように成熟した市場ではなく、むしろ遠隔医療や建設現場、工場などの業務領域で顕著になることを考えれば明らかです。5Gの特徴である高速大容量、高信頼・超低遅延、多数同時接続は、クリティカルな業務領域でその真価を発揮するものだからです。やはり5Gはディスラプティブテクノロジーであり、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。

今回取り上げた3つのトレンドトピックスは、トレンドトピックスのほんの一部です。

他にも、本Reportでは「SDGs:社会課題とテクノロジーの関わり」や「映像配信サービスの新時代」、「生体センシングが向かう先」など複数のテックトレンドを取り上げています。

サンプルダウンロード

今回、テックトレンドレポート2020の内容を一部抜粋したレポートサンプルを作成しました。

ご興味ある方々にほんの一部ではございますがご覧いただき、内容をご確認いただければと思います。

足:2020年度版の制作方法について

 

トリニティでは、20年間にわたり世界のデザイン展示の情報も把握。

複数の製品・サービス領域に同時に現れる新たな価値観のポイントを「クロスオーバーポイント」とし、「ひと」を中心とした価値観の変化の読み解くレポートを発行。

新規事業・製品・サービス開発を行う多くの企業の方にご活用いただいています。

(参考:クロスオーバートレンド https://trinitydesign.jp/news/3395/)

 

 

このように私たちトリニティは、世界の拠点と協働しながら基本業務の一環として、「未来を読み解くための情報収集」を行っています。

 

2020年テクノロジートレンドを見る上で、今年は新型コロナウイルスの影響で世界各国で開催される展示会・見本市が軒並み中止となりました。毎年1月にアメリカで開催されるCES(Consumer Electronics Show)は今年唯一開催された国際展示会です。

その他例年観測している通信の展示会MWC(Mobile World Congress、2月)や、アメリカオースティンで開催のSXSW(3月)、産業機器の見本市Hannover Messse(4月)は、全て中止となりました。

 

 

そのような状況ではありますが、技術の進化がストップしたわけではありません。むしろ、例年以上にオンラインでの情報公開が積極的になされています。今年はCESで語られたテックトレンドをベースに、各展示会に出展を予定していた企業のプレスリリースや昨年以前の各展示会のトレンド傾向を比較・加味することで、私たちの未来の生活に影響を及ぼすテクノロジートレンドについて分析を行っています。

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