トリニティ株式会社

車両サプライヤー 合同勉強会「SSD活動」の最新報告!

公開:2017年10月3日 更新:2017年10月3日

トリニティでは3年前から、複数のサプライヤーのデザイン組織と共に、系列を超えた合同勉強会を展開している。これは業界初の試みと言える。

なぜならクロスインダストリーが加速される今、自動車業界に於いても、自動運転やEV車両の促進等々により、ここ数年でめまぐるしく変化する技術と顧客&エンドユーザー価値観、そして法改正の中にあって、バリューチェーンの中での新しい「立ち位置」を早急に築かなくてはならないからだ。

*参加企業メンバーをシャッフルした、若手ワークショップのグループワークのシーン

サプライヤーは、従来の系列や独自技術の枠を飛び越えて、B2Bビジネスの中で何を客先に提供していくか〜を主体的に考え、提案していく時代に入っている。

 

それを叶えるには、B2Bビジネスだからこそ、客先の未来&戦略シナリオと同次元の「業界の情報を知り」「自社製品の開発に活かし」「客先に提案する」こと、そして何より、それを実現できる人材やしくみを育てることが急務なのだ。

*日常業務では、担当する製品の部分だけでソリューションを考えてしまう。若手ワークショップでは、

想定顧客や使用シーンなども視野にいれたアイデーションの練習も

この合同勉強会、SSD活動(Super supplier by Design)はここに着目し、Tier 1、2とクルマデザインソサエティをつなぎ、参加者合同で、これから必要となる人材開発、ネットワーク醸成を推進していこうと考えており、それに賛同したサプライヤー5社が一丸となって活動をしている。

*系列を超えた5社が参加しての合同勉強会秋の部。オープニングのシーン

■ファッションセレクトショップの老舗「SHIPS 辣腕MDが語る、これからのライフスタイル」

ここ数年、市場ではSUV、クロスオーバーという車型が増えている。SUVとはsports utility vehicleの略称でスポーツ用多目的車を指す。市街地だけでなく、長距離や悪路での走行性が高いため、アウトドアを楽しむには最適である。
プレミアムブランドを見渡しても、英国勢のジャガー、ベントレー、イタリア勢のマセラティ、アルファロメオは既にSUV市場に参入、ランボルギーニも2018年にはSUV市場に参入する予定となっている。勿論、国産メーカーも例外ではない。

*この秋のフランクフルト・モーターショーから

なぜ、SUVなのか。
サプライヤーとしても、今後クルマメーカーが一層SUVの生産台数を増やしていくのか、それとも早々に飽和状態となり、次はセダンやスポーツカーに行くのか〜その動向は気になるところ。
そもそも、クリエイティブを担う私たちは、エンドユーザーの価値観やライフスタイルが
どこに向かっているのか〜を掴むことは、もっと大切である。

 

そこで、トリニティでは、老舗ファッションセレクトショップのSHIPSで過去にスポーツブランドとのコラボを次々ヒットさせてきた、辣腕MDの篠原渉氏を口説き、ファッションビジネスからみた、今のユーザーのライフスタイル、つまりライフスタイルがいかにスポーティ、カジュアルになっているか、について語ってもらった。
彼は、あのミズノクリエーションも手掛け成功を収めている。

篠原氏曰く、「私たちは皆、日常の中の非日常を求めていると思います。それも、手軽に、スマートに。」当面は、引き続き、心地よさ、カジュアル、スポーティブ、抜け感が求められるのではないでしょうか。
一方で、たとえトレンドが変化しても、昔と同じスタイルがそのまま戻るのではなく、
一度味わった心地よさ、快適さ…は、ユーザーはもう譲れないわけですから、ファッションはその機能を取り込みながらどんどん進化していく。特に素材の機能はキーファクターです。」

 

たしかに、篠原氏の分析どおり、私たちはITの進化&深化により「気分や情報を瞬時に切り替えて、複数の世界感や価値観、ソサエティに部分的に所属」し、それを自ら編集するかのような日々を送っている。
日常と非日常も、気分で瞬時に、スマートに切り替えたい。
日常の中に、非日常をどう取り込むか。非日常の中でもスマートで手軽な感覚はあってほしい。そんなライフスタイルの中に、SUVは存在するのかもしれない。
・・・であれば、このSUVブームのもう少し続くのだろうか。

最後に、登壇した篠原氏からは、
「異業種の方々とのディスカッションは、非常に有意義なものでした。特に印象に残っているのが「車業界もファッション業界もお客様は一人」なんだという事です。
インダストリーの領域で分けられるものではない。
そして、トレンドとマインド(気分)は密接に絡み合い、最新のテクノロジーとMIXして新たな商品を消費者は求めることを、今回の参加者の皆様と過ごして再認識しました。」との感想が。
「何より、SSD参加企業の部長クラスの方は、SHIPSに憧れて青年期をすごした方も多く、SHIPSの前身ミウラ&サンズからのコアなファンもいらっしゃり、SHIPSの航海は続いていると実感しました!将来的にSHIPSとクルマを含めたライフスタイルのコラボも面白いかな〜とビジネスの可能性も広がりました。」との、心がシンクロする想いも語って頂けました。

■次回は、東京モーターショーにタイミングあわせてのイベントの実施!

今年度最後のプログラム、SSD活動の締めくくりは、10月27日(金)の東京モーターショーの特別招待日。
この日の午後を使って、東京モーターショーや今年の海外のモータ―ショーに見られる「クルマのインテリアトレンド」のセミナーと、クルマメーカーの複数デザイナーによる「サプライヤーに求めること&期待値」(仮称)をテーマにしたクロストークが行われる。
そして、終了後には、密な懇親会が予定される。

 

今年の東京MSはじめ、どうクルマのインテリアトレンドを読み説き、それをそれぞれの
自社の戦略に昇華できるか・・・。
これからも修行の日々である。

 

日本のサプライヤーのバリューを上げることは、世界のクルマ産業での日本のプレゼンスを上げる最短距離だと信じて、私達トリニティはこの活動を続けます。

2017 SSD スピンアウト企画 ”東京モーターショーから未来を語る”

実施日:2017年10月27日(金)13:00〜20:30(想定)
場所:東京都品川駅周辺 貸し会議室&パーティールーム
当日のプログラム(想定)
前半:セミナー
「クルマのインテリアのトレンド〜東京MS速報と、最近の国際MSから」
*モータージャーナリスト 古庄速人氏 によるプレゼンテーション
後半:クロストーク
「今、サプライヤーに求めること&期待すること」
*2社の自動車メーカーのインテリア担当デザイナーによる対談を予定

 

問い合わせ先:
トリニティ株式会社 SSD事務局