トリニティ株式会社

8月24日、トピックス 夜会にて

公開:2017年9月20日 更新:2017年9月20日

先日、弊社主催の“TOPICS(トピックス)2017 夜会”が開催されました。その模様をお伝えします。

“TOPICS”とは、日本の約10社の異業種デザイン部門が集まり交流する勉強会で、来年には10年目を迎えるトリニティの代表イベントの一つです。

今年三回目の開催となった今回は『クリエイティブ組織力向上会議』と称し、新しい社会の中で成長し続けるためのデザイン組織と人材育成について、ご参加いただいた企業さまの課題と解決案について討論頂きました。日本を代表する各分野トップメーカーのデザイン部門からマネージャーやチームリーダーなど、社内でもデザインの品質維持と組織のマネージメントと重い責務を負う立場の方々に多くご参加いただきました。

今回は参加企業のコクヨ様にご協力頂き、港区にあるコクヨ東京ショールームを会場としてお借りしました。コクヨ東京ショールームにはコクヨ様の製品の展示はもちろん、製品が使用されるシーンに合わせて展示空間が設計されているなど、訪問者が体感することに重きを置いた展示場です。コクヨ様社員の方が働くオフィススペースも併設されており、コクヨ様の日々のクリエイションを体感することができる贅沢な空間となっていました。実会場となった5Fのパブリックスペースも開放的で、こんな環境で働くことのできるコクヨ様の社員をとても羨ましく感じます。

会場に軽食や飲み物も用意し、オブサーバー役の任天堂様の挨拶と乾杯の後、和やかな雰囲気の中でのTOPICS夜会がスタートしました。まずは各企業様が持っているデザイン・クリエイティブ組織としての課題を発表して頂き、発表後それぞれの企業様へと質問となりました。業種や取り組み方などは異なりますが、それぞれの企業が持つ課題については共感する部分も多くあるようで、各参加者の方からは次々と質問が上がっていました。

特に興味深く伺ったのが、デザイン部門と設計部門の橋渡しのお話。どこまでが設計でどこまでがデザインか、非常に難しい問題です。形状がそのまま機能につながる製品においてはデザインがそのまま設計に繋がります。そういった場合デザイナーと設計者の役割の線引きをどこに置くのか。出来上がってくるプロダクトも大きく影響を与えることになります。組織としても個人のデザイナーとしても無視することのできないこの課題に、参加者の企業様同時多くの意見が交わされていました。

それぞれの企業様の課題発表後は、自由形式で参加者同士がディスカッションを行う時間を設けました。発表では聞くことのできなかったそれぞれの課題と取り組みについて参加者同士熱く議論頂きました。最後にそれぞれ感想と会の成果を発表頂き、第三回TOPICS2017 夜会は終了となりました。

一世代前の時代にはなかった技術が発展し、ライフスタイルも大きく変わっている昨今、デザイナーと呼ばれる職種もひとつの専門性を極めるだけではなく、複数の分野をまたがって活躍するよう求められる場面が多くなってきています。マネージメントやビジネスなど今まではデザインの文脈で語られることのなかったジャンルも話題にあがる機会も増えて、デザイン思考も一般的に認知される段階まで来ました。製品やサービスにおけるデザインの意味合いも表面的な意匠や機能だけではなく、その背後のストーリーやコンセプトにまで関心が及んでおり、購入動機としてモノからコト、更に社会貢献にまで発展しています。ユーザーの価値観が多様化することはもちろん、これから生まれるデザイナー達も今までとは異なる新たな価値観を持っているでしょう。

回答がすぐに得られるものではありませんが、柔軟に変割り続けていくことができる組織と人材育成について、参加企業様それぞれがヒントを得られる機会が提供できたのであれば幸いです。各企業様の今後の取り組みに注目していきたいと思います。

(文責:米山)

次回は第四回TOPICS2017のテーマは『知覚×デザイン 聴覚の会』。

ご興味ある方はぜひご連絡ください。