新興国ワークショップマラソン無事終了!
公開:2013年1月10日 更新:2013年1月10日
弊社オリジナルプログラム「第1回 新興国ワークショップマラソンプログラム」が2012/10/18(木)~10/26(金)に無事終了しました。
本プログラムは、現在注目されている新興国「インド」と「中国」の2か国に短期滞在し、現地の「生」の価値観を体験&比較することが出来る参加型プログラムとなります。今後急速に発展・拡大が見込める新興国の新旧の価値観を探り、各国を比較することで、今後のビジネス展開への基礎的知識を得ることが出来ます。
今回はマルチクライアントで行われ、参加企業は5社、参加者は8名となりました。
プログラム内容は、「インド」と「中国」の2か国を1週間の過酷なスケジュールで周遊!?。各国の次世代を担う若手デザイナーと英語でのディスカッションや現地視察を共に行い、そこから彼らとの文化や価値観の違いを体感しました。もちろん、全て英語でのコミュニケーションですので、最初は参加者の方々はかなり緊張ぎみでしたが、プログラム後半には活発な意見交換がされていました。
また今回インド滞在時、現地参加メンバーとの食事会では、なかなか普段ではあまり聞くことの出来ない「ジェネレーションギャップ」が話題になりました。
ご存知のように、歴史&多人種&多宗教によって構成されてきたインド文化。しかし、近代化が急速に進む現在では例外なく変化をもたらし、もちろん彼らの世代と親やその上の世代とではジェネレーションギャップが存在する。
そんな中、参加者の1人は、1950年代にインドに侵略された「マニプール独立王国」について、興味深い話をしてくれた。マニプールは、インドの北東端に位置し、ミャンマーとの国境を接する州。面積は四国より一回り大きい。
インドは、多くの国々に隣接し、略奪や侵略の歴史的背景がある。その中でもマニプールの人々は、インドに侵略されたことに対して抗議を続け、いつしかインド国内では「やっかい者」のレッテルを張られるようになった。
彼らは、次第に武装反対勢力となり過激化し、地域住民から、金銭の略奪や殺害などを行うようになったらしい。実は、この状況は1950年代の当時の話ではなく、2012年の現在でも続く状況とのこと。
これらの「制圧される側」のインド人には、ジェネレーションを超えた共通の「不安」意識が醸成されているらしい。それは急速な国際化や経済成長にも影響されずに、根底意識として、心身の中で大きく存在しているとのこと。
日本人の我々にはなかなか想像しがたい、繰り返された侵略の歴史、生活環境や社会背景だが、過酷な環境下での世代を超えた共通意識については、考えさせられる一面であった。一方では、親が子を虐待し、子が親を殺害する現実。本当に日本は平和な国なのだろうか?とも同時に考えさせられた。
このように、歴史的な背景から形成される価値観や文化などを理解し、実際に体感することで、自分の中での理解が大いに深まります。
これはほんの一例に過ぎませんが、このプログラムの中で、自分で新たな「気づき」を掴み、次回は自分の肌で感じてみませんか。
次回は3月に第2弾(インド・中国)を、また今夏には第3弾(タイ・インドネシア)を予定しています。ご興味がある方は、是非参加をご検討下さい!
若者のトレンドスポット「Khan Market」にあるレストラン。
黄色の壁と白黒模様の派手なコントラストが特徴のインド的な空間の中で、
彼らに人気のメニューを食べながらのフランクな会話を通して「本音」を語り合った。
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文責
山口崇
トリニティ株式会社 取締役 / デザインプロデューサー
Adaptive Insight Academy デザイン思考 講師
グラフィックデザインを学んだ後、
メーカーのデザイナー、ブランドコンサルティング会社の戦略プランナーを経て、
現在はトリニティ株式会社にてデザインコンサルティング、デザイン&イノベーション
ワークショップの企画・実施・ファシリテーションを行う。
アダプティブインサイトアカデミーデザイン思考講師も兼任。