トリニティ株式会社

価値を生み出すDX導入の4ポイント -CX視点がDXの成功を導く

公開:2020年08月27日 更新:2020年08月27日

概要

・DXの成功を支えるCX視点とは?

・CX視点からDXを支援するメニューの紹介

こんな方に

■戦略のこと

・DXを推進しているがよい手ごたえを得られていない

・DX推進に当たり、どこから手を付けて良いか迷っている

急務とされる“DX”とその課題

ユーザーエクスペリエンス、カスタマーエクスペリエンス、デジタルトランスフォーメーション…。

体験価値や変革を意図する“X”をキーとした取り組みは、ある時は事業改善の切り口として、ある時は新規事業創出のきっかけとして、業界・業種を問わず浸透しつつあります。

また、経済産業省によるレポート*では、2025年までにDXの実現がなされない場合、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性のある事も指摘されており、急務としてとりくむ企業も増えています。

一方で、国内でDXを導入した企業の約37%は、効果を実感できていないのが現状です**。

また、現場に目を向けると、

・ デジタルトランスフォーメーションの旗印のもと、特定技術の導入が前提となった開発が要求される

現場では求められていない技術精度を追求してしまう

・ DX推進室はあるのに、そもそもデジタイゼーション(アナログ情報のデジタル化)やデジタライゼーション(ビジネスのデジタル化による効率化)が進んでいない

といった課題も聞こえてきます。

これら課題に関して、様々な企業へのヒアリングを重ねていく中で見えてきたのは、DX推進において『顧客体験=CX』の観点が抜け落ちている、ということです。

*『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(経済産業省、H30年)

**2019 年 国内企業のデジタルトランスフォーメーション動向調査 IDC Japan, 2019

DXの成功を支える”CX“視点とは?

『 CX ; Customer Experience / 顧客体験 』とは、ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験のことです。ここでの体験は、商品やサービスを購入する際の体験にとどまらず、購入前の段階、あるいは購入後のサポートまでを含んだ、全ての体験が対象となります。

重要なのは、B2Cであれ、B2Bであれ、企業が顧客に提供した体験が、そのままCX=顧客体験となるわけではない、という点にあります。

 

加えてもう一つ重要なのは、CXとは商品やサービスにおける物的価値(価格や機能性など)だけではなく、感覚的な価値(満足感や喜びなど)も含めた価値であるという点です。

さきほど取り上げた『特定技術の導入が前提となった開発』も『現場では求められていない技術精度を追求する』ことも、上記のCX観点が欠落しているからこそ、引き起こされている課題なのです。

 

これは、とある自動車メーカーの方から伺った話ですが、高齢化の進む地方自治体向において、モビリティサービスの企画を進めるなかで、効率的なシステムを開発したが、高齢者の方になかなか使ってもらえなかった、というお話がありました。理由を伺うと、高齢者の方は、自分が予約して、もし直前にキャンセルしてしまうと、ドライバーの方に迷惑が掛かってしまうから、利用の気が進まない、ということでした。この例などからも、顧客観点での体験に対するインサイト(ペインポイント)を深く理解することの重要性が、わかるかと思います。

 

モビリティによる移動体験、デジタルとフィジカルな場を繋ぐ購買体験、スマートシティにおける生活体験、自動化された工場での生産管理…、これらテーマは全てUX、DXデザインの範疇にありますが、その中心には『人』が存在し、人に接続する形で、デジタルテクノロジーやビジネスが検討されることが求められているのです。

”CX“視点によるDX開発に必要なこと

では、顧客体験をDXに活かすにはどうすればいいのでしょうか?

ポイントは4つあります。

 

ポイント1:顧客体験のキーを捉える

CX=顧客体験といっても、単にその体験を追従するだけでは価値に転化できません。

顧客の目線から見た感覚的な価値(満足感や喜びなど)を深く理解することが必要です。

 

ポイント2:価値を生み出す体験の構想

革新的なビジネスモデルも、先進的なテクノロジーも、それ自体の魅力で、体験価値を最大化できるわけではありません。

時代における価値観やテクノロジー、ビジネスモデルの変化を読み解きつつ、顧客に提供する体験を時間軸をもって定義し、リアルとバーチャルを横断した体験価値を構想することが重要となります。

 

ポイント3:スピーディな検証とフィードバック

どんな秀逸なコンセプトでも、実際に体験してみなければその価値を見定めることはできません。

プロトタイプをスピーディに開発し、プロトタイプのフェーズに応じた適切な検証を実施、フィードバックを獲得。

最初から大きなプロジェクトを実施するのではなく、コンパクトな実施と修正を繰り返すことで、最終的な価値を上げていくことができます。

 

ポイント4:組織の体質を変える

DXもデジタルシフトも、手段であって目的ではありません。

システム導入や業務効率化の先にある、DXによって実現すべきビジョンの策定、さらに現場がDXを推進するために重要となる、CX起点での思考を社内に根付かせること、つまりは新しいカルチャーの浸透が、DX推進においては重要な土台となるのです。

DX design from CX トリニティの4つのメニュー

トリニティの行うDX支援は、一言で言えば、『CX起点によるDX design』です。

実現させるべきCXを明確にすること、そしてCXを最大化させる仕掛けを、ビジネスとデジタルテクノロジーも含めて構想することをDX Designと考え、その活動を支援致します。

1.“インサイトの探求“ CXにおけるキーインサイト抽出

自社製品やサービスの利用前後での体験、要求される物的価値(価格や機能性など)だけではなく、感覚的な価値(満足感や喜びなど)を深く理解することで、顧客体験のキーとなるインサイトを抽出します。

こんな方に

・ 開発段階の技術があるが、顧客目線での価値が明確でない

・ システムを導入したが、CX向上につながらなかった

・ 既存プロダクトやサービスを、CX起点でリニューアルしたい

 

2.“体験の構想“ CX起点での新規商品&サービス開発

時代における価値観やテクノロジー、ビジネスモデルの変化を読み解きつつ、どんな体験に変容させることで大きな価値が生まれるのか、顧客体験を起点にした、価値創造の仕掛けを構想します。

 

こんな方に

・既存製品でIoT化を考えているが、アイディアがでない

・新規事業を立ち上げたいが既存事業のフレームから出られない

・事業コンセプトはあるが、顧客体験まで落とし込めていない

 

3.“プロトタイプ開発“ 顧客体験を具現化するプロトタイピング

プロトタイプをスピーディに開発し、プロトタイプのフェーズに応じた適切な検証を実施、フィードバックを獲得。このサイクルをスムースに回していくことで、具現化すべき体験価値を明確にしていきます。

 

こんな方に

・アジャイル開発を導入したが、うまくいかない

・ユーザーサイドの要件を、うまく拾えていない

・ブラッシュアップするポイントが、開発者同士でずれる

 

4.“ビジョン&文化づくり” DXで目指すビジョンや思考様式の導入

システム導入や業務効率化の先にある、DXによって実現すべきビジョンの策定、さらに現場がDXを推進するために重要となる、CX起点での思考の浸透、つまりは新しいカルチャーの醸成支援も行っています。

 

こんな方に

・DXで実現すべきビジョンが明確になっていない

・CX起点で考えるという思考が、社内で浸透していない

・DX、CXを牽引していく人材が育っていない

 

“カスタムメイドのプロジェクト設計”

“+X”と言っても、クリアしなければいけない課題、やるべきこと、やりたいことは多種多様。トリニティのプロジェクトはつねにカスタムメイドの設計。ゆえに、様々なタイプのプロジェクトで実績があります。

 

自社事業におけるDXのあり方を考えてみたい、 CXを切り口にサービス開発を考えてみたい、といった具体的な事から、自社で+Xをどう考えていいかわからないといった悩み事まで。皆様の思いがそこにあれば、規模の大小は関係ありません。まずはご相談ください。

 

・外部への依頼ではなく、研修型にしたい

・一部のみを支援してほしい

・外部有識者としてプロジェクトにコメントしてほしい

・何を頼むべきなのかの相談から乗ってほしい

 

など、ご状況に合わせ設計いたします。

 

関連参考資料:DXデザイン関連資料ダウンロード

トリニティでは、上記にご紹介したメニュー以外に、DX導入支援プログラムもご用意しています。

 

CX起点のDXを学ぶ 半日プログラム

→DX推進にあたり、押さえて置くべきCX視点。その初めの一歩となるプログラム。

・ DX全体像の理解

・ DX推進企業の具体的な取り組み

・ DX導入のプロセスや課題

を技術・マーケティング起点ではなく、“CX起点”で学ぶ。

 

対象者:DX推進の検討段階、あるいは推進の初期段階にある企業/自治体の担当者

 

加えてこんなお悩みがある方…

・社内でDXといっても、特定技術導入の話になってしまう。

・B2Bの事業をしているので、CXの話をしても社内でうまく伝わらない。

・DX推進が目的となってしまい、ゴールが描けていない。

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