食トレンドの発信源?食べないパンの活用法:中国深セン
公開:2011年11月4日 更新:2011年11月4日
先日の中国シンセン出張の際、立ち寄った現地料理店での出来事。
私達の周りのテーブルの人達が、なぜかメニューに載っていない
食パンを頼んでいる。
写真にあるように、食パンがきても食べるのではなくおいたまま。
(しかも2枚も!)
注意深く観察していると、なんと食パンの上に料理を乗せて食べていた。
「食パン皿」だ。
ウエイターに聞くと、料理の脂分を食パンに吸収させて食べるのだとの事。
しかし上海出身の弊社の中国人スタッフは、「そんな食べ方初めて見た…」
とポカンとした顔。
どうやらシンセンの、しかもこの店特有の食べ方らしい。
中国全土からの移民都市であり、
現在上海に迫る勢いで急速に発展しているシンセンは、
多くの人の流入と共に中国全土の食文化が終結している。
また地理的にも香港のとなりにある事から、
香港から中国へ流入する「流行やファッション、食トレンド」の
ゲートウェイとしての役割ももっている。
よって、ここシンセンから中国全土への波及効果が期待され、
香港・日本を含めた外食産業も「中国市場への足がかり」として
次々に参入している。
歴史的に食文化が発展している中国の中でも、ことシンセンに関しては、
あらゆるところで「食」の新しい試みが行われている状態だ。
革新的なデザイントレンドが新しい試みから生まれてくるように、
中国の最近の健康志向を反映した「食」トレンドの芽が、
シンセンから出てくるのもうなづける。
シンセンの「食」には、
新たな商品開発のヒントがたくさん隠されている気がした。
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文責
山口崇
トリニティ株式会社 取締役 / デザインプロデューサー
Adaptive Insight Academy デザイン思考 講師
グラフィックデザインを学んだ後、
メーカーのデザイナー、ブランドコンサルティング会社の戦略プランナーを経て、
現在はトリニティ株式会社にてデザインコンサルティング、デザイン&イノベーション
ワークショップの企画・実施・ファシリテーションを行う。
アダプティブインサイトアカデミーデザイン思考講師も兼任。