トリニティ株式会社

大阪万博で未来に触れ、聴竹居で伝統をめぐる2日間 ― トピックス共創ツアー2025レポート

公開:2025年09月30日 更新:2025年09月30日

トリニティが主催となり、国内の企業・メーカーに勤めるデザイナー同士のつながりを生むためのコミュニティとして、2008年から開催している異業種交流勉強会「トピックス」。毎年クリエイティブ業界の旬なトピックをテーマに設定し、レクチャーとワークショップを通して、異業種間の交流と学びが生まれるための場を提供しています。

さらにトピックスは、単なる学びの機会にとどまらず、そこで交わされた議論や知見を自社に持ち帰り、組織変革のきっかけへとつなげられる場でもあります。世代や役職、業種を超えた対話の中から、新しい気づきや発想が生まれ、日々の業務や組織運営に具体的に活かされてきました。

2025年度は「インナーコミュニケーション(デザイン組織の価値発信)」をテーマに、12社の企業にご参加いただいております。本記事では、9月5日・6日に実施した毎年恒例の課外活動“共創ツアー”の様子をご紹介します。

共創ツアーの意義

「共創ツアー」は、異業種交流勉強会「トピックス」の一環として毎年実施している課外活動です。日常のオフィスや会議室を離れ、実際の現場や文化的な環境に身を置くことで、普段の業務では得られない刺激や発想の広がりを生み出すことを目的としています。

特徴的なのは、参加企業自身が所有する施設を訪問先として選び、そこを舞台に交流や学びを深めていく点です。単なる視察ではなく、その裏側にある開発プロセスや工夫に触れられるのも、このツアーならでは。普段の業務では知り得ない舞台裏に触れる体験は、毎回、参加者にとって大きな学びとなっています。

また、施設を一緒にまわりながら「他の参加者が何に反応しているのかを知れたのが面白かった」という声や、デザイナーと商品企画職が一緒に展示を見学する中で「自分だけでは見過ごしてしまいそうな視点を共有してもらえたのが新鮮だった」という声も聞かれます。こうした異業種・異職能の交流によって、日常では得られない多様な視点を交換し、自身の業務や発想を広げる場となっているのです。

このような課外活動を「トピックス」の一環として行っているのは、レクチャーやワークショップだけでは得られないリアルな体験を共有することが、参加者同士の学びや関係性をより深めると考えているからです。実際の現場に身を置き、共に体験しながら対話することで、学びが具体化し、各社の組織や業務に持ち帰れる価値が生まれています。

今年は大阪万博の開催年であり、参加企業のいくつかが出展していたことから訪問先のひとつを万博会場に設定。さらに翌日には、竹中工務店が所有する京都にある重要文化財「聴竹居」を訪問し、最先端の技術と歴史的建築という対照的な場をめぐることで、「未来と伝統」を一度に体感することができました。

1日目(9/5):大阪・万博会場で未来を体感

初日は大阪・夢洲の大阪・関西万博会場を訪問。今年はトピックス参加企業12社のうち、エレコム株式会社、コクヨ株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社タニタ、株式会社デンソー、TOTO株式会社、三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社の8社から総勢16名が参加し、3チームに分かれてまわりました。午前中からチームごとにパビリオンを巡り、未来を見据えた展示や革新的なアイデアを体感しました。

午後には竹中工務店の藤川様に、万博誘致の舞台裏や「森になる建築」のコンセプトについて直接お話を伺いました。ある参加者からは「開発の裏話や実現の工夫は、このようなツアーだからこそ知ることができた」という声もあり、建築・都市開発の最前線に触れる貴重な時間となりました。続いて三菱未来館では三菱電機のご協力により全員が特別入場し、没入型の未来体験を楽しむことができました。

夕食はサステナブルフードコートで全員が集まり、食事をしながら各自の気づきを共有。「展示を一緒に見ながらお互いの反応や感想を話し合えたこと自体が学びにつながった」と語る声もありました。夜には、水上ショーやドローンショーを観覧し、充実した一日を締めくくりました。

2日目(9/6):重要文化財「聴竹居」で歴史的建築を学ぶ

翌日は京都・大山崎の重要文化財「聴竹居」を訪問。竹中工務店の尽力で特別視察が実現し、竹中工務店OBで現在聴竹居倶楽部スタッフの八木様から、建築家・藤井厚二氏の思想や設計背景について詳細な解説をいただきました。

参加者からは、「100年前の住宅設計が今の暮らしに通じる考え方を持っていることに驚いた。」「これだけこだわり抜いた建築をみんなで見れたことがとてもよかった」といった感想が寄せられました。デザインや建築に詳しくない参加者でも「洗練された思想や細部へのこだわりを深く感じ取れた」と語り、異なる立場の人々に共通の学びを与えてくれる時間となりました。

学びと交流が広がる時間

今回の共創ツアーを通じて、参加者はそれぞれに新しい視点や気づきを持ち帰りました。「他社のデザイナーとの交流を通じて、自社内では得られない考え方に触れ、視野が広がった」という声もありました。施設や展示を一緒に体験する中で、普段の会社や部門に閉じない新しい観点や反応を知ることで、自分の思考や企画の幅が広がったという感想も多く聞かれます。

また、他社の取り組みや考え方に触れることで「自分の会社のやり方だけではない」と気づき、発想や価値観が広がったという意見も寄せられました。こうしたダイナミックな学びの積み重ねこそが、共創ツアーならではの大きな意義だといえます。

単なる視察や見学にとどまらず、一緒に体験し、その場で感想を交換すること自体が学びとなる。参加者同士が互いに刺激を与え合い、日常の業務や組織の在り方を再考するための貴重な時間となりました。

未来志向と伝統の知恵を一度に学ぶ体験を通じ、今回のツアーは参加者それぞれのクリエイティブ活動や企画業務に新たなヒントを与えるものとなりました。

トピックスへのお申し込み、ご参加の検討について

「トピックスの詳細を知りたい」「参加企業の詳細を知りたい」「まずは見学して参加を検討してみたい」といった場合は、ぜひ下記からお問い合わせください。
最新の参加状況や実施内容含め、担当者よりご説明させて頂きます。
よろしくお願い致します。