トリニティ株式会社

デザイン経営が組織を変える!?持続的な企業発展の鍵とは?

公開:2025年4月21日 更新:2025年4月21日

「デザイン経営宣言」から7年目の今

近年、ビジネス界で注目されている「デザイン経営」。これは、デザインを単なる見た目や意匠だけではなく、経営戦略の中核に据える経営の考え方です。2018年に経産省と特許庁が「デザイン経営宣言」を出して早7年目となりますが、この中にも、デザインがブランド価値や顧客体験を向上させる力を持つことが、記述されています

デザイン経営の魅力とは?

デザイン経営の最大の魅力は、デザインの持つ力を企業活動に取り入れることによって、昨年の調査では、売上向上や社員のエンゲージメントを高める成果があると云われています。

「デザインの力」を、私なりにまとめると、以下の3つに分類できると思います。

まず、「可視化・シンプル化」。これは、複雑な情報や抽象的な概念を整理し、分かりやすく伝える力です。これからの社会や企業課題などがますます混沌とし、現状把握も従来どおりでは掴みきれません。システム思考にみられるように、すべてが関連し、関係する中で、情報や概念をわかりやすく整理して伝える必要があります。そこにデザインが効能を発揮します。

そして、「課題探索と解決」。表面的で画一的な問題に対処するのではなく、リアルな状況を踏まえた上で問題点を深く掘り下げ本質的な課題を抽出し、最適な解決策へと導くプロセスです。

最後に、「新たな価値創造への導き」です。課題抽出で終わっていては次には進めません。その次を主観的に自分事として導いていく力です。組織や人々を動かし、新しい価値を生み出す役割をデザインは担うことができるのです。

私は外部コンサルとして会社経営や事業運営の場に数多く関与してきたのですが、この力を活用できる企業リーダーや組織は、驚嘆すべき組織変革を推進していると実感しています。

そして、このデザインの力を持ちつつ経営を深化させる「デザイン経営」は、イノベーションの源泉ともなります。従来の枠組みにとらわれず、新しい視点で問題解決に挑むことで他社との差別化が可能となり、市場での優位性を確立し、持続的な成長が期待できるわけです。

成功へのヒントは?

デザイン経営を成功させるには、トップダウン型アプローチが重要です。とはいえ、自社の経営陣にデザインというと、意匠設計と誤解されてしまうかもしれません。

その誤解を解き、経営層が「デザインの力」を理解し、それを組織全体に浸透させることも、これからのリーダーには必要となってくるでしょう。デザイン部門だけでなく、知財部や事業部、経営企画や人事部など、多様な部門や職種とのコラボレーションが鍵となります。これにより、一貫性と創造性が保たれ、企業全体で強固な戦略が実現します。

企業価値向上に寄与できるか?

コロナ禍以降、急速に変化する事業環境では、デジタル化への対応や迅速な意思決定が求められています。競争優位を確立し持続可能な発展を遂げるためには、企業が有する見えない資産(無形資産)もフルに活用して、企業価値を上げていくことが必須です。無形資産とは、組織のアイデンティティであり、社員全員の結束力やステークホルダーの皆さんとの共感です。この無形資産に大きく寄与できるのがデザイン経営です。デザイン経営が唯一の解決策ではないものの、デザイン経営に取り組むことで課題解決や価値創造を加速させ、企業価値の向上につなげることが期待できると思います。

なぜトリニティがデザイン経営に取り組むのか?

「デザイン」には、人々を幸せにする力があります。私達はこの想いから、30年近くも「経営とデザインと顧客」を三位一体(=トリニティ)として活動してきました。欧州ではデザイン経営という言葉はありませんが、この概念によって、欧州のデザインコンサルは活動しています。トリニティではドムスアカデミー等の欧州との協業により、この概念をかかえて、各PJを推進しています。


今後は、更に日本社会の価値創造にむけて、「デザイン経営」の指南をさせて頂ければと考えております。

(上)弊社が伴走支援した、富山県総合デザインセンターが主導する「デザインビジネス・スクール」での一コマ。地元企業の経営層に「デザイン経営」の実践方法を伝授。写真はデザインセンター所長の桐山登士樹氏

一緒に取り組んでみませんか?

私は、デザイン経営を、企業アイデンティティやビジョンを掘り下げ、経営そのものを変革する手法の一つと捉えています。デザイン経営を通じて既存戦略を支える基盤となり、長期的な企業発展に持続的効果をもたらすことができます。


ぜひ、私達とともにデザイン経営に取り組んでみませんか。

Special Mission Director
長谷川 知栄/Tomoyoshi Hasegawa