グローバルリサーチTips:デザインクリニックで実は大きな問題となるモックアップ海外輸送の5つのポイント
公開:2019年11月7日 更新:2019年11月7日
トリニティ リサーチャーの織田です。
クライアント様の海外進出をサポートする為、
国内外のデザインリサーチに飛び回る日々を過ごしています。
昨秋もフランス、インド、中国を又に掛けた
デザインクリニックを実施する為に、各国を訪れました。
各国の調査では、会場に製品のモックアップを展示するのですが、
海外でこうした大規模なデザインクリニックを成功させるには、
モックアップの海外輸送の手配も重要なポイントの1つとなります。
海外輸送の方法には、
自分達で荷物を運ぶハンドキャリーと、
国際輸送事業者を利用するケースの2つがあります。
今回はそれぞれの方法のメリット・デメリットや、
もし自分達でハンドキャリーをすることになったら、
無事に荷物を運ぶために注意すべき5つのポイントについて、
解説をさせていただきます。
ハンドキャリーと国際輸送事業者利用のメリット・デメリット
ハンドキャリーをする上で外せない5つのポイント
1.ATAカルネ利用の薦め
ATAカルネとは、職業用具、商品見本、展示会への出品物などの
物品を外国へ一時的に持ち込む場合、
外国の税関で免税扱いの一時輸入通関が手軽にできる通関手帳です。
こちらを事前に申請しておけば、
出入国手続きの際に空港の税関に荷物を持ち込み、
その際にカルネ手帳を見せることでスムーズな通関が可能になります。
またこれは日本に荷物を持ち帰ることを証明する書類となるので、
通常の輸出入で発生する関税が掛からないことも大きなメリットになります。
ハンドキャリーをする上で欠かせないカルネですが、
国によってはカルネが使えないことがあるので、注意が必要です。
例えば中国では展示会への出品用途のみが認められていて、
職業用具や商品見本用途ではカルネを使用することはできません。
今回のデザインクリニックでも、フランスへはカルネを使用してハンドキャリーを行いましたが、
インドと中国へは商品見本用途でのカルネが使用できなかった為、
業務通関に長けた国際輸送事業者を利用することとなりました。
※インドや中国といった国で、カルネがない状態で自分達で業務通関を行うことは、
相当ハードルが高い手続きであり、決してお勧めできません!
2.日系航空会社利用の薦め
ハンドキャリーをする場合は、
利用する航空会社は日系の航空会社をお勧めします。
事前に荷物の積込確認をする場合も、
現地の空港で手続きをする際にも、
日本語で対応してもらえる可能性の高い日系の会社はやはり安心感があります。
また荷物の扱いの乱雑さや誤送といったリスクも、
比較的低いのが日系航空会社だと言えます。
3.コードシェア便には要注意
日系の会社でチケットを取ったとしても、
現地の乗継便は現地航空会社とのコードシェア便、
というケースも多くみられると思います。
その場合は、飛行機に乗せられる荷物の重量やサイズ、種類が、
日系航空会社の規定とは異なることが多く、
別途、現地会社のルールを確認して合わせる必要があります。
コードシェア便を利用する場合は、
そこまで気をまわして、事前確認を進める必要があります。
4.荷物検査の際には梱包箱のサイズに注意
空港で航空会社に荷物を預ける際に、
X線で中身を検査されます。
通常サイズの荷物であれば問題ありませんが、
大型のモックアップになると、
梱包箱のサイズも含めると通常のX線機を通らない可能性があります。
大型荷物用のX線機が準備されている空港もありますが、
それでもサイズには限度がありますので、
梱包箱の3辺の内、1辺目は90cmを切る、2辺目は40cmを切る、
といった配慮をすることが必要です。
5.搭乗時に荷物の積込確認をする
航空機の搭乗口で、
荷物が本当に機内に積み込まれているか、
確認をすることができます。
搭乗口にいる航空会社のアテンダントの方に、
チケットに貼られた手荷物の番号札を見せることで、
積込有無の確認を取ってくれるケースが多いです。
※対応してもらえるかは航空会社によって異なります。
上記、5つのポイントをご紹介しましたが、
自分達で慣れないハンドキャリーをする場合は、
これらのポイントを押さえることにより、確実な運搬をすることができます。
また不安や懸念がある場合は、
無理をせずにプロである国際輸送事業者を利用することも、
賢い選択と言えるのではないでしょうか。
新興国デザイン調査
急速な経済成長による同一性と、
文化・慣習による差異を見極める。
変化の激しい新興国では、対象エリアの地域性に加えてグローバルな動向にも目を向ける必要があります。
トリニティは中国、インド、ブラジル、ロシア、ミャンマー等、クライアントの海外進出を支援しています。
精度の高い調査ときめ細かなフォローによって、
対象エリアの正確な「事実」を知り、
今後の「戦略」を策定することが可能です。
調査例
・ インド中間層の価値観を探る
・ インドネシアの住宅事情を体感する
・ 世界各国の色に対する価値観を比較
・ 世界各国の若者のトレンドを抽出・比較
関連メニュー
1. デザインリサーチ
2. ユーザーインサイト調査
3. カラー戦略・CMF開発
デザイン新興国マラソンについてのお問い合わせはこちら
文責
織田浩平
トリニティ株式会社 マネージャー /リサーチャー
日系サービス業企業の調査部門でリサーチャーを7年間務め、
大手広告素材制作会社を経て、2013年2月よりトリニティに勤務。
現在は同社のシニアデザインリサーチャーとして、
国内外を問わず多様なデザインリサーチやアイディア開発ワークショップを担当している。
定性・定量調査、また有識者調査 等の豊富な経験を有し、
耐久消費財からBtoB商材・サービスの調査案件まで幅広く経験。
創業よりデザインとリサーチを二本柱として成長をしてきたトリニティにおいて、
デザインの力とリサーチの力をハイブリッドさせた、
リサーチプログラムの創出やソリューションの提供に日々、奔走している。