いざ福井の産地へ!
公開:2016年12月13日 更新:2016年12月13日
11月は、伝統的工芸品月間だった。
経済産業省が主導して、国内外への発信強化のために、昭和59年から定められたもので、今年のメイン開催地が福井県。
11月25日のメインイベントの初日には、功労者等への経済産業大臣表彰も含めた記念式典もあるということで、当地に足を運んできた。
同時に流通活性化のため、百貨店をはじめとする流通業、ジャーナリスト、有識者を対象とした「産地見学バスツアー」も実施され、早速そのバスに乗り込んで、産地めぐりへ。
越前焼は、約850年前の平安時代末期に発祥したといわれるが、その特徴は、釉薬を使わずに焼く焼き締めにより、素朴でぽってりとした優しい佇まい。
日常品としての趣味の良い、しみじみとした味わいだ。
しかし新しい取り組みも盛んである。
越前焼のその手法を研鑽し、ぎりぎりの「薄さ」にこだわった「ひらら」という「盃」シリーズ。昨年から越前焼工業協同組合のチームとしてスタートした。
複数の窯元が「薄さ」に挑戦しつつ、様々なコレクションを展開する。
飲み口が1mm以下という、陶器でははじめての薄さ、そして繊細さ。
試しに、これで日本酒を頂いたのだが、日本酒の味さえ勿論変わって感じる。
窯元が結束しているので、熟練、若手職人が入り乱れての腕自慢である。
何より、この作品は世界トップのデザイン展示会である「ミラノ・サローネ」にも出展しておりちょっとした話題になっていた。
伝統とは革新の積み重ね…とはよく言われることであるが、まさにこれを体現している。