トリニティ株式会社

インドの女性の溢れるパワー -「女性」として擬人化される「インド」、それは何故?

公開:2014年6月13日 更新:2014年6月13日

例えば、1957年に創られたMOTHER INDIAという大作映画、あるいはBharatmata(母なるインド)という歴史書の中でも、インドという国を女性として擬人化して語っている。また、ヒンズー教においても、女性は神様、母、妻、奴隷、娼婦などさまざまな役割をもつ。
そこから垣間見えるのは「女性が家族や社会に対して、真摯な愛情を尽くし献身し、多大なる犠牲を払ってきた事への、畏敬の念~が含まれているのだと思う。

今、都市部の女性パワー

一転、町をみるとどうだろうか。
数年前には、考えられなかった都会のシーン。
男の子を後ろに乗せて走る若い女の子が運転するバイク。
女性で連れ立ってのドライブ。
都市部のホテルのレストランでは、女性達だけで豪華なランチを楽しむ姿。
女性専用の高級旅行クラブなども、数百名のメンバーを持ち、
ミラクルなプログラムを提案している。
スクーターやパソコンなどは、女性向けにカラーリングがほどこされる。

 

女性パワーは、日々ますます強くなる~と確信する。

女性専用の高級旅行クラブも盛況。
出典: http://www.wowclub.in/

女性が変わると、周りも変わる!

 

とはいえ、ご存じのとおり、インド女性は、アジアの中でも、相変わらず社会に
おける環境は決して良くない。農村部に目を向けると、農業従事者が男性の比率
よりも多く、日雇い労働に従事する割合も多い。よって労働収入は、家計に貢献しているものの、経済的自由度はかなり少ない。

 

その一方で、都市部の中間層、富裕層の女性は、刻々と変容しているのだ。

 

彼女達の経済的自立により、女性の自由度は高まると同時に、彼女たちと「うまく」やるために、男性の立ち位置も、変わる。
夫婦間では、より深い理解と、子育てや介護のための協力関係が必須となって
いる。(これがうまくいかずに、離婚するカップルも増え…過去5年で2倍。)

 

私自身、妻もデザイナーで、5歳の子供がいる。
1日の仕事の配分も、デザインコンサルの代表として、100%自分の時間を使える
環境になく、子育てと、妻の仕事の応援(?)で、4割の時間を取られている!!
独身時代が懐かしい。

 

このあたり、日本の環境はどうなんだろうか。
この秋に日本に出張するので、是非皆さんと情報交換してみたい(笑)。

文責

Hari Kishan Nallan(ハリ キシャン ナラン)
トリニティ・ストラテジー・インディアPvt.Ltd. 代表

インドでも有数のデザイン大学NIDを卒業。大手製造メーカー勤務後、プロダクトとUIデザインを主とするデザイン会社「THINK DESIGN」を設立。

 

2011年にトリニティ(株)とのジョイントベンチャーにて同社を立ち上げ、代表に就任。同社はデリーとハイデラバードに拠点を置き、市場調査・デザイン調査等、「ものづくり」の視点で調査&コンサルティグを展開する。

 

インドに於けるデザインリサーチを含め、企業ビジョンの策定、デザイン戦略の立案、デザイナーの育成の為のワークショップやセミナーなど多岐にわたるプログラムにてインド、日系、インターナショナル企業を支援する。