第1回 福祉×デザイン”アイデアソン・セミナー”のご報告[4月24日実施] 福祉現場の日常を知り、ワークプロセスの質を高める!
公開:2014年5月23日 更新:2014年5月23日
当日はソーシャルワーカーでもある、フラワーアーティストの岡崎万奈さんを
ゲストに迎え、ソーシャルケアデザイナーの須藤順さんを進行役に、実際に福祉の
現場で働いた岡崎さんのお話しを聞き、そこからワークショップを通じて浮き上がった様々な課題に対して、デザインスキルやポテンシャルでこんなことができるのではないか、というグループワークとアイデア出しを行った。
今回、「アイデアソン」という耳慣れない言葉を冠したセミナーだが、これは元々
IT業界で生まれた「ハッカソン(hack+マラソン)」から来ている。今回はその
前段に当たる「アイデアソン」。アイデア出しまでがワーク内容。
話題提供者の岡崎さん・ファシリテーターを務めて頂いた須藤さんのお二人。
ご参加者と一緒にアイデア出しに取り組む。
アイデアソンに欠かせない、現場のリアルレポート!
ワークの出だしは情報の「インプット」から。まずは岡崎さんから福祉の現場の
体験談を時間軸で細かく語って頂いた。福祉・介護の現場は過酷、というのは
我々に共通のイメージだが、具体的にどんなところが?となると意外にもイメージできていないもの。
福祉の現場の中では、例えばメモをする機会が多いのに書く場所がない、ペンを
なくすことが多い、などの報告が我々には新鮮にさえ感じられた。こうした何気
ない事柄に、課題解決のヒントが隠されていると気付く。
お話を聞いた後は、いよいよアイデア出し。当日参加者で2人1組のペアとなり、ブレスト。ペアを変えて4セット実施し、気付きの共有を行った。
次に、福祉の現場の改善につながるアイデアを1シート1案で3案以上挙げた。
出揃ったシートはテーブルに置き、良いと思ったアイデアに加点していく。
最終的に上位2案を抽出し、2グループに分かれそれぞれの案をブラッシュアップさせていく…というのが一連の流れ。
この、情報のインプット → 発散 → まとめ の流れの中で参加者には一体、どんな気付きが生まれたのか…。
当日の参加者のメッセージからご紹介しようと思う。
参加デザイナーの声 ”3つの「収穫」”
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家電メーカー デザイナー
小椋 肇
…今回このイベントに参加させていただき、収穫が3つありました。
1つ目は課題の多さを知り、解決難易度の高さを痛感できたこと。
人材不足、体力消耗、時間束縛、重責に見合わない収入に加え、行政のしばりで
思い描くサービスが提供できない現場の葛藤も初めて知りました。
2つ目は、解決の糸口を垣間見られたこと。短い時間でしたがアイデアソン形式の対話を通じ、答えを導き出すトレーニングを体験。また、便利グッズ以前に、人と人がぶつかり合う現場で「興すコトのデザイン」が鍵だということを気づかされました。
最後に、参加されていた異業種の方々や講師の方々と福祉の課題を通じ語り合えたことです。
デザインはモノ、コトの創造を通じ、課題を解決する手段であること。それを信じ参加したものの、いきなりパンチをくらったわけです。ただ、我々にとって必要なパンチだったかもしれません。今改めて、デザインの力が試されているように思えました。
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Π型モニターの活躍!
文字どおり「人」と「人」とがぶつかり合う福祉・介護の現場では、何より当事者の「生」の声がいかに貴重なものか、あらためて実感させられる機会になった。
また今回の岡崎さんはトリニティの福祉モニター「Π型(パイ型)」モニターの
メンバーでもあり、福祉のキャリアと視点を持っているため、客観的に現場を
判断しつつ、オリエンしてもらったこともアイデアソンの成果に繋がっている。
※Π型(パイ型)モニターとは、ソーシャルワーカーを中心に福祉事業を展開する、専門家達のネットワーク。単一分野の専門家ではなく、複数の専門性を知る現場プレイヤーであるプラクティター(実践家)で構成されている為、業界や現場の状況・モノやサービスに対して、的確かつ包括的な経験をフィードバックすることができる。
次回は、7/2(水)に開催決定。
概要は下記をご覧ください。
福祉、介護の問題は避けて通ることができません。
今度は商品企画やデザインのプロフェッショナルである皆さんも「アイデアソン」
に参加して、これからのために求められるプロダクトやサービスについて、思い巡らせてみませんか?
第2回 福祉×デザイン”アイデアソン・セミナー”
~福祉の現場を知り”アイデアソン”で課題解決に挑戦しよう!~
開催日時:2014年7月2日(水)
16:00~19:30(3時間半)
申込締切:2014年6月6日(金)
場所:弊社会議室(東京都千代田区紀尾井町3-29紀尾井町アークビル2階)
参加費:当日現金お支払い 5,000円(税込/1名様)
定員:6名
※お申込多数の場合は抽選となります。
※本イベントは終了しております。
ペアブレストでの一コマ。リアルな現場の声に耳を傾け、
そこから生まれた気付きを共有・発展させていくのが今回のアイデアソンの醍醐味。
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