トリニティ株式会社

トルコでの花柄文化

公開:2012年1月6日 更新:2012年1月6日

下の写真(ちょっとピンボケですが)は、
イスタンブールの巨大ショッピングモールで見つけた、
ソープディッシュ、コップ、シャンプーボトル
さらにはリネンといった洗面用具類。

ぱっと見、すぐに気が付くのがその花柄のパターン。
有彩色のものはちょっとバタ臭いが、
白い容器にグレーもしくはブラックでパターンが施されているものは、
フォルムの好き嫌いはあるにせよ、日本やヨーロッパで売っていても
なんら違和感の無いデザインではないだろうか。

 

とはいえ、この花柄パターン。
イスラム圏のトルコでは何気なく使われているのではなく、
ちゃんと理由が存在している。
実はイスラム教では西暦630年に「偶像崇拝」を徹底して排除して以来、
人や動物を装飾に用いるのではなく、植物(花)や果物、
さらには幾何学図形、文字。
これらを装飾に使うのが一般的となったのだ。

 

ちなみに、植物(花)でも、
チューリップはトルコの国花であることから
モスクのカーペットなどでもよく使われている。

花柄というとどこにでもあり、
なにげなく目にするパターンではあるが、イスラム圏では
宗教上のルールと共に進化と発展を遂げてきたものである、
という観点から見ると、その理解の質は随分と変わってくるのではないだろうか。

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文責

深澤秀彦
トリニティ株式会社 取締役

大手日系グローバル自動車メーカーのコンサルティング/デザインリサーチ会社でキャリアをスタート。
トリニティでは、グローバルでのデザインリサーチを中心に、
デザイン戦略/デザインマネジメントの構築、デザインコンセプト、デザインモデルの開発等、
リサーチから製品開発、戦略立案まで幅広いプロジェクトを担当。
欧米を中心に、南米やアジア、中東、アフリカ地域などを様々な地域を対象に、
現地フィールドワークを含む海外でのプロジェクトを多く推進している。
また、国内外のデザイナー、デザインリサーチャー、エンジニアといった、
多種多様なエキスパートとの共創経験も豊富で、プロジェクトのテーマや課題に応じてチームを編成し、指揮している。