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デザインの視点
デザイン戦略
2017年7月3日

ひきつづき福井の産地で

皆さんは、越前箪笥を御存じだろうか。
この箪笥は、無垢材を利用し、一切の釘を使わずにほぞ接ぎ技術で、
表面は漆塗り。飾り金具は、越前打刃物で創られる重厚な鉄製のものがつかわれる。
福井は同じエリアに、陶器、漆器、和紙そして武生ナイフビレッジで有名な刃物など
産地が集積しているのも特徴で、ゆえにこのような産地と産地が連携した
匠の協業が実現する。
今年、福井のアーティストのご自宅がギャラリーとなって解放され、そこでこの越前箪笥が見られる。

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はじまりは、江戸時代の後期であるが、時代とともに
シンプルモダンに変容していく。

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素晴らしい丁度品は、職人技とともに、それを支える「道具たち」が生みだすものでもある。

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箪笥は御存じのように、昔の金庫。
当時、火事になっても、その中は守られる。ゆえに、より頑丈で重々しい箪笥が好まれたわけだ。
私達の生活空間やモノの保存やセキュリティ方法が変容してはいるものの、
この箪笥を工芸品のような、風雅な調度品で終わらせるのは少々もったいないと思われた。
ほぞ接ぎ技術自体を横展開できるアイデアをアイデアソンでひねり出すなどの、更につっこんだ工芸品の魅力化ができないか。
あれこれ思いを巡らせながらの、ツアーの一コマ。

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20年以上前に、弊社トリニティで、福井の商品開発を支援していた際には、デザイン視点でどのように製品自体の価値が上がるか…の開発支援であった。
しかし、今回のツアーを体験しつつ思うのは、今更ながらに「製品単体」の開発ではなく、
その製品を買う、使う、送ることで他の人と共感できるストーリーづくりであると再確認される。
福井の伝統工芸品の情報と触れるところから、産地に出かけたり、サイトで疑似体験するなどして購入してから、使う、プレゼントする、その感想を投げ合う-というプロセスをデザインしないと…。
デザインの役割に終わりがないのも実感された。
(写真・文責 湯浅)

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