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2018年6月26日

ヘルシンキの話題のカフェのトイレスタイル

先日、福祉や高齢者に向けた空間設計のプロの皆様と、北欧を視察する機会を得た。
最初に訪れたのがフィンランド。

(同国は福祉大国として有名であるが、視察先を重ねていくうちに、彼等も福祉財政収支が悪化しており、サービスや支援の予算切りをせざるを得ない状況にあることが薄々とわかってきた。空間や機器・サービスなどは、いかにアクセシビリティを叶えるか、誰にでもフェアに合理的に進めるか…という概念と実活動は日本より一歩すすんでいるように思えるが、昨今の財政は思わしくなく、福祉の現場では、サービスの足切りを憂いている声も聞かれた。)

それはさておき、一方でフィンランドはなんといっても、コーヒー消費の世界トップ2位。
そしてデンマーク発とされる「ヒュッゲ」のバズワードのとおり、此処でも「仲間とゆるゆると心地よく寛ぐ時間を至上の喜び」とすることは変わらない。

そこで、視察団一行は(ヒュッゲ初心者として、これを体感すべく…)
ヘルシンキでは見落とせないカフェ「REGATTA レガッタ」に参上した。
cafe
cafe2
有名作曲家シベリウスの名前を取った公園の隣にあり、目の前には、海が広がる。
1890年に建てられた漁師の小屋を改築したもの。ヘルシンキの田舎を再現したらしい。
セルフ形式のオペレーションで、店内には3~6人が座れるだけでほとんどが屋外の席となる。
一角には焚火が出来るスペースもあり、自分でソーセージを焼いてかじりついている人も。
view
ほどよい苦みを感じるコーヒーと名物のシナモンロールをほおばりながら、この屋外カフェに陣取り、皆でデザイン談議や他愛もないおしゃべりをしつつ心温まる時間を過ごした。

訪れた6月上旬は白夜の時期でもあり夜まで日が落ちないばかりか、異常気象で現地の方々も驚く暑さで、私たちもこの時間だけでこんがり日焼けしたほど。
だが恐らく冬になれば、目の前の海もまるごとグレイッシュになり、マイナス15~25度なんてことになるんだろうな…。ほんの少しの短い夏に白夜の夕刻を楽しみ、長い極寒の冬には家で籠る…こういう時間の使い方はこの土地と歴史からくる自然な感覚なんだ~と実感。
(読者の皆さんも御存じの通り、中国の大氣(ダーチー)と一緒!で、「価値観とデザインスタイル」がまさに一体化している。)

大いに(私たちなりに)ヒュッゲを体感した、その最後に、
私はトイレに行くことになった。

屋外カフェのドンツキにそのトイレはあり、掃除小屋と見間違える。ささやかな佇まい。
ドアを開けると、中は、(決して計算されたデザインなどではなく)無造作に置かれた小物や棚がとりあえず置かれ、絵画がかけられている。
だが、あ~なんて心が温まるインテリア!!

何よりトイレは車椅子でも対応でき、なんとアームにはトイレットペーパーが掛けられている。
toilet

私は一瞬にして、フィンランドの「合理性」と「アクセシビリティ」、そしてインテリアへの暖かい想いのすべてがここに詰め込まれていると思った。

(写真協力:小野由紀子、國東千帆里、佐藤多聞、原井純子 文責:湯浅)

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